2021 Fiscal Year Annual Research Report
次世代型シェアリング交通サービスの成立・普及と社会的影響の評価分析
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21H01459
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
嶋本 寛 宮崎大学, 工学部, 准教授 (90464304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉内 文孝 岐阜大学, 工学部, 教授 (10263104)
Schmoecker J.D. 京都大学, 工学研究科, 准教授 (70467017)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ライドシェア / 数理計画モデル / アクティビティ・ダイアリー調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,完全自動運転とシェアリング・エコノミーが融合した次世代交通サービスの成立・普及可能性と,それが都市構造に及ぶ影響を評価するとともに,サービス普及を見据えた最適な交通施策を考究することを目的としたものである. 研究初年度においては,シェアリング・エコノミーに特化しライドシェアリングサービスに焦点を絞ったモデル構築を行った.ミクロ的な視点において,サービス利用者を効率的,かつ個々の利用者が出発時刻や経路を変更する動機をもたない状態を求解するアルゴリズムを構築し,仮想ネットワークにおいて数値的に条件を満足する求解できることを確認した.ただし,アルゴリズムの妥当性を精緻に証明する余地が残されている.さらに,マクロ的な視点において,サービス利用者を考慮した時空間ネットワーク上のフローを求解するモデルを構築した.構築したモデルは,i)トリップ単位で利用する交通手段を決定する「トリップベースモデル」と,ii)1日全体のアクティビティを考慮して交通手段を決定する「アクティビティベースモデル」の2種類のモデルを構築した.構築したモデルを仮想ネットワークに適用し,感度分析を行ったところ,「アクティビティベースモデル」の計算負荷が大きいことを確認し,効率的な計算アルゴリムの開発に取り組んでいるところである.また,マクロ的なモデルにおいても,計算される数値の解釈に検討の余地が残されている. さらに,中山間地においてライドシェアサービスの実現可能性を検討するため,熊本県上天草市においてライドシェアサービスの利用意向とアクティビティ・ダイアリー調査を実施した.今年度は,収集されたデータを上記で述べたモデルに適用し,ライドシェアの成立可能性を評価する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定されていた数理モデルは構築できたものの,その妥当性について検証する余地が残されているため
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Strategy for Future Research Activity |
研究初年度において構築したモデルの妥当性を検証し,場合によっては修正や計算効率化を図る.その上で,検証されたモデルを下敷きにして,長期的な利用者行動を記述するモデルや,次世代型交通サービスを考慮した最適施策決定モデルを構築する. また,研究初年度に実施した調査データも活用しながら,実都市における施策評価も実施する.
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