2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of membranes for complete removal of pathogens
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21H01466
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
藤岡 貴浩 長崎大学, 工学研究科, 教授 (20759691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安浦 雅人 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (20760408)
新谷 卓司 長崎大学, 工学研究科, 客員研究員 (90607574)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 逆浸透膜 / 病原体 / 阻止性能 / 製膜 / ウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、無傷の逆浸透膜であっても微生物が膜透過水側に漏洩してしまう課題に対し、逆浸透膜の繊細なポリアミド分離層の支持膜に孔径が正確にコントロールされたトラックエッチド膜を組み込み、微生物漏れのない完全阻止型の逆浸透膜を創出することを目的としている。2023年度は、ポリカーボネート製のトラックエッチド膜の生物粒子の除去性能に関する評価を行った。孔径の最適化を行った結果、0.2μmの均一な孔径を備えた市販のトラックエッチド精密濾過膜を支持層として採用した。ポリアミドスキン層は、界面重前にスピンコーターを使用して薄いm-フェニレンジアミン溶液層を作成することによって形成できることが分かった。さらに薄い溶液層はバーローラーを使って形成することも可能にした。開発した膜の中で最も高性能の逆浸透膜は、1.1L/m2hbarの純水透過性能と97%の塩除去率を示した。また、膜の物性を解析した結果、トラックエッチド膜ベースの膜のスキン層の厚さ(約31nm)が市販の逆浸透膜と同等であることを明らかにした。さらに、作製した膜による細菌サイズの粒子(0.5μmの蛍光ビーズ)の除去(8.6-log)は、逆浸透膜エレメントから取り出した市販の逆浸透膜による除去(7.8-log)よりも高くなることが分かった。一方、小さなトラックエッチド膜ベースの逆浸透膜では細菌サイズの粒子を完全に除去することはできないことも分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
トラックエッチド支持膜の上にポリアミド分離層を形成した逆浸透膜を用いて実際の下水を使って実証試験を行う準備が整ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
開発した逆浸透膜と実下水を用い、トラックエッチド膜使用によるウイルスの漏洩抑制効果の影響評価を行う。
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