2021 Fiscal Year Annual Research Report
紀伊半島の海付集落を対象とする社会・空間・被災史デジタルアーカイブの構築と公開
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21H01519
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
松田 法子 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (00621749)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河角 直美 (赤石直美) 立命館大学, 文学部, 准教授 (40449525)
大場 修 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 教授 (20137128)
藤岡 換太郎 静岡大学, 防災総合センター, 客員教授 (20107452)
福島 幸宏 慶應義塾大学, 文学部(三田), 准教授 (40531182)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 漁業集落 / 海付集落 / 紀伊半島 / 被災史 / デジタルアーカイブ / 生活文化 / 民家 |
Outline of Annual Research Achievements |
◆定例研究会 ・全体研究会 第1~9回の全体研究会を行った。第1回はキックオフミーティングとし、第2~6回は調査対象集落のレビューと調査後の報告によって構成した。具体的には、九鬼、塩津、三尾、雑賀崎、鳥羽離島(坂手島・答志島・菅島・神島)の集落報告である。第7~9回は分担研究者の福島(デジタルアーカイブ)、河角(HGIS)、藤岡(地質)が各自の専門的立場から本年度の調査や議論を踏まえた報告を行い、全体で意見交換を行った。 ・分科会 河角を軸にHGIS分科会を先行して立ち上げ、調査成果の公開法及び今後検討するデジタルアーカイブの設計とHGISとの連動法について検討を開始した。 ◆現地調査 5月に東牟婁郡太地町から海南市塩津まで紀伊半島西岸の漁業・海付集落を再確認し、8月に和歌山市雑賀崎、日高郡三尾の両集落について、漁港空間の変化や集落の空間構成の特徴など複数の主題による詳細調査を実施した。10月は尾鷲市九鬼の集落調査とヒアリング、日高郡三尾の集落構成に関する追加調査を実施した。11月に雑賀崎の古写真調査と海南市塩津の民家予備調査、鳥羽市菅島・神島の集落詳細調査を行った。2月は三尾の民家建築調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画では年度あたりの集落調査を3ヶ所程度と想定していたため、今年度は計画を上回る倍程度の対象地について調査を実施できた。背景としては予備調査過程で地元との連携が比較的スムーズに進んだことがある。逆に、収集した情報を適切に整備する必要が生じているため、これについては次年度に補足調査を加えながら適切に進行する。 三尾集落についてはカナダ移民母村の観点から同地を対象とする別の科研研究チームとの連携が生まれ、当科研の目的に加え、さらに「パブリックヒストリー」の視点と方法を加えた調査と成果公開が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
◆定例研究会 ・全体研究会 3ヶ月に2度程度の頻度で全体研究会を開催する。2022年度には新たに歴史地理学の小野映介氏と地震学の加納靖之氏を分担研究者に迎え、地学的・生活空間的スケールの双方から歴史地震と集落の関係を捉える視点と方法を強化する。研究会の内容としては、2021年度と同様に、調査地の事前・事後報告と分担研究者の専門報告を軸に進める。 ・分科会 新たにアーカイブ分科会を立ち上げ、本研究に実装すべきデジタルアーカイブの設計法を検討する。HGIS分科会はこれと連動しながら進める。 ◆現地調査 2021年度に行った調査対象地を引き継ぎながら、地質・地形/被災史/集落の社会史・空間史/空間構成要素の悉皆調査/民家調査等の各主題に関する横断的な追加・補足調査を実施する。これにて当初予定通り2ヶ年度6集落について詳細調査を行うことになる。
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