2022 Fiscal Year Annual Research Report
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21H01592
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
牛尾 知雄 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (50332961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 大貴 立命館大学, 情報理工学部, 助教 (20868731)
楠 研一 気象庁気象研究所, 台風・災害気象研究部, 室長 (40354485)
菊池 博史 電気通信大学, 宇宙・電磁環境研究センター, 助教 (40783105)
和田 有希 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (40879144)
吉川 栄一 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 航空技術部門, 主任研究開発員 (70619395)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 気象レーダ / フェイズドアレイ / 圧縮センシング |
Outline of Annual Research Achievements |
フェーズドアレイ気象レーダにおいて,複素受信信号(IQ信号)からドップラースペクトルを推定するため,スパース性と滑らかさを用いた正則化モデルを提案した.提案モデルの非負の変数によってドップラースペクトルが推定され,これは凸最適化によってスパース性と滑らかさを活用できるようになっているものとなっている.フェーズドアレイ気象レーダーにおける数値実験では,提案手法が従来のスパース推定モデルにスムージングを組み合わせた手法よりも優れた性能を発揮することが示された. また,偏波レーダにおいて高解像度かつ高精度な降水量推定アルゴリズムの検討を行った.従来の方法では,SNの低い箇所において,低域濾過フィルタの適用に伴って,空間解像度を劣化させることが問題となっていた.これに対して,偏波間位相差(Phi-DP)を各レンジビンにおいて,滑らかさやSNを考慮しつつ,最適化問題として解く手法を提案し,初期検討を行った.結果,空間解像度を劣化させることなく,比較的高精度で推定可能なことが,数値計算および実測データで示された. さらに,2重偏波フェーズドアレイレーダにおいて問題となるグランドクラッタの除去アルゴリズムの検討も行った.2重偏波フェーズドアレイレーダでは,送信に比較的ビーム幅の広いファンビームを送信するため,数km近辺までグランドクラッタの影響が出ることが分かっているが,これに対して適応的なフィルタを適用することによって,どの程度,反射因子のみならず,偏波間位相差や偏波間相関係数等の2重偏波パラメータの測定精度が向上するのか検討を行っている.アンテナ形状を考慮して,反射因子に関しては数十dB程度のクラッタレベルの低減が確認されており,今後,偏波間位相差の精度を確認予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ブロックスパースによって,フェーズドアレイ気象レーダの高分解能化を実現する定式化が行われた.今後こうした手法の評価を行っていき,研究目的を達成する.
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Strategy for Future Research Activity |
今後,ネットワーク環境下における高解像度化アルゴリズムの構築と評価を行なっていく予定である.また,高精度な降水量推定アルゴリズムの検討も行う予定である.こうした一連の検討によって,フェーズドアレイレーダネットワークにおける高解像度,高精度な降水量推定の可能性を示していく予定である.
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] A Primer on Phased Array Radar Technology for the Atmospheric Sciences2022
Author(s)
Robert Palmer, David Bodine, Pavlos Kollias, David Schvartzman, Dusan Zrnic, Pierre Kirstetter, Guifu Zhang, Tian-You Yu, Matthew Kumjian, Boonleng Cheong, Scott Collis, Stephen Frasier, Caleb Fulton, Kurt Hondl, James Kurdzo, Tomoo Ushio, Angela Rowe, Jorge Salazar-Cerrento, Sebastian Torres, Mark Weber, Mark Yeary
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Journal Title
Bulletin of the American Meteorological Society
Volume: 103
Pages: E2391~E2416
DOI
Peer Reviewed
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