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2021 Fiscal Year Annual Research Report

侍の英知である城郭石垣を守る変位計測と数値解析を併用した危険度診断システムの構築

Research Project

Project/Area Number 21H01595
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionKokushikan University

Principal Investigator

橋本 隆雄  国士舘大学, 理工学部, 教授 (40628814)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 酒井 久和  法政大学, デザイン工学部, 教授 (00360371)
池本 敏和  金沢大学, 地球社会基盤学系, 講師 (60311677)
宮島 昌克  金沢大学, 地球社会基盤学系, 教授 (70143881)
若井 明彦  群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (90292622)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
Keywords石垣 / 診断システム / 非破壊検査 / モニタリング / 熊本城
Outline of Annual Research Achievements

令和3年度の研究実績は、以下のようになる。
1)100名城の石垣に関する調査:文化庁から全国にある100名城の管理事務所に依頼して各名城石垣の3Dレ-ザー測量や地盤調査が広域に行われているか、大きな変状形態(はらみ・クラック・浮き)、崩壊・はらみ変状に伴う修復履歴、「石垣カルテ」の作成状況についてアンケート調査を行った。その分析の結果、3Dレ-ザー測量が整っているのは小峰城、金沢城、松本城、松江城、萩城、松山城で、地盤調査が整っているのは小峰城、金沢城、松本城、熊本城であることが分かった。
2)調査対象3城郭モデル地区の選定:文化庁と調整して、石垣に大きなはらみ変状を生じていて3Dレーザー測量が完了し、地盤調査も広範囲に行われ、「石垣カルテ」があるモデル地区として小峰城、松江城、松山城を選定した。
3)石垣の解析による検証:熊本城と松本城では、研究代表者が熊本城文化財修復検討委員会の事務局オブザーバー、松本城文化財修復検討委員会委員となっているため、実際に橋本らが開発した累積示力線を用いた耐震解析により安定性評価を行っている。
4)各石垣地盤の3次元空間の推定:松江城及び松山城については、地盤のボーリングデータが少なく、石垣地盤の3次元空間の推定ができない。そこで、文化庁に依頼して、松江城については新たにボーリング調査・表面波探査・弾性波探査・微動アレイ探査を企画して調査を行っていただいた。また、松山城について、来年度に同様の調査をする予定である。小峰城については、ボーリング調査(N値)及び表面波探査から地球統計学の手法であるクリギング法により、地層ごとの3次元空間地盤分布図を作成した。小峰城は東日本大震災やこれまでの地震・豪雨等の被害を受けているため、3次元空間地盤分布図に重ねた結果、谷部の盛土や強風化した岩部に被害が集中していることが明らかとなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

令和3年度は新型コロナウイルスの蔓延により、当初計画していた現地調査を行うことができなかった。
そこで、まず文化庁と調整して、100名城の石垣に関するアンケート調査から、石垣に大きなはらみ変状を生じていて3Dレーザー測量が完了し、地盤調査も広範囲に行われ、「石垣カルテ」があるモデル地区として小峰城、松江城、松山城を選定した。
その後、各城管理者と現地で打ち合わせを行い、調査の了承及び関連資料提供を受けている。小峰城は、新型コロナウイルスの蔓延防止が解除されてから、石垣の断面構造が不明なために、レーダー探査を実施した。解析は、現地計測ができないため、熊本城と松本城で研究代表者が熊本城文化財修復検討委員会の事務局オブザーバー、松本城文化財修復検討委員会委員となっているため、実際に橋本らが開発した累積示力線を用いた耐震性評価を行うことにした。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究は、下記の3名城を対象にして変状が大きい石垣箇所について形状及びタイプに応じた地域別地震波を再現した模型の振動台実験及び解析を行い、3次元空間の危険度ランクの評価を行う。その際に、各検討断面の諸条件の設定(地震動)が異なるため、石垣の形状、地盤の状況、入力地震動の推定を設定する必要がある。石垣3次元空間の危険度ランク評価:実験と解析から石垣についてどの程度の危険度なのかが分かるようにランクで評価する。今後の研究は、以下のように行う。
1)小峰城については、ボーリング調査(N値)及び表面波探査から地球統計学の手法であるクリギング法により、地層ごとの3次元空間地盤分布図を作成し、過去の被害との検証を完了した。今後、石垣の3Dレ-ザー測量から変状が大きい石垣箇所について形状及びタイプに応じた地域別地震波を再現した模型の振動台実験及び解析を行い、3次元空間の危険度ランクの評価を行う。
2)松江城は、ボーリング調査・表面波探査・弾性波探査・微動アレイ探査から3次元地盤を推定した。今後、3次元空間地盤分布図を作成し、過去の被害との検証を行う。
3)松山城は、文化庁が今年度にボーリング調査・表面波探査・弾性波探査・微動アレイ探査を行うので、結果が出るのが遅くなる可能性がある。その結果から石垣地盤の3次元空間の推定を行う。
4)解析は、現地計測ができないため、熊本城と松本城で研究代表者が熊本城文化財修復検討委員会の事務局オブザーバー、松本城文化財修復検討委員会委員となっているため、実際に橋本らが開発した累積示力線を用いた耐震性評価を行う。
5)石垣模型の振動台実験は、各石垣の積み方(野面積・打込はぎ・切込はぎ)・石垣構造・地盤構造が異なるため、振動台実験を行い崩壊現象のメカニズムを検証する。

  • Research Products

    (6 results)

All 2022 2021

All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 4 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] 熊本城における盛土と石垣の崩壊の関係2022

    • Author(s)
      橋本 隆雄, 磯部 有作, 松尾 拓
    • Journal Title

      国士舘大学理工学部紀要

      Volume: 15 Pages: 73-81

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 異なる3次元DEM要素モデルによる小型石垣模型の傾斜破壊実験シミュレーション2021

    • Author(s)
      森田 大成, 大塚 鎮, 酒井 久和, 小野 祐輔
    • Journal Title

      土木学会論文集A1(構造・地震工学)

      Volume: 77 (4) Pages: I_519-I_532

    • DOI

      10.2208/jscejseee.77.4_I_519

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 大型振動台を用いた城郭石垣の耐震補強対策に関する研究2021

    • Author(s)
      東澤 航平, 池本 敏和, 小川 福嗣
    • Journal Title

      日本建築学会北陸支部研究報告集

      Volume: 64 Pages: 61-64

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 大型振動台実験による石垣補強技術の耐震性評価2021

    • Author(s)
      橋本 隆雄, 中澤 博志, 池本 敏和, 宮島 昌克
    • Journal Title

      土木学会論文集A1(構造・地震工学)

      Volume: 77 (3) Pages: 405-417

    • DOI

      10.2208/jscejseee.77.3_405

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 石垣・石積み構造物補強技術の安定性に関する模型実験2021

    • Author(s)
      堀 謙吾, 岩佐 直人, 橋本 隆雄
    • Organizer
      第76回年次学術講演会
  • [Presentation] 城壁の地震時挙動を再現するための振動台実験と動的弾塑性FEM2021

    • Author(s)
      須藤皓介・坂東直哉・若井明彦・橋本隆雄・宮島昌克・池本敏和
    • Organizer
      GeoKanto2021 地盤工学会関東支部研究発表会

URL: 

Published: 2022-12-28  

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