2022 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of photo-functional property of oxyhydroxide and application development to environmental purification and energy generation
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21H01657
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
勝又 健一 東京理科大学, 先進工学部マテリアル創成工学科, 准教授 (70550242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳田 さやか 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター, 研究開発本部機能化学材料技術部マテリアル技術グループ, 副主任研究員 (40579794)
山田 哲也 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (50823142)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | オキシ水酸化鉄 / 光触媒 / 過酸化水素 / フォトフェントン反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
常圧・常温・空気雰囲気・印加電圧無しの条件下において、鉄錆の一種であるオキシ水酸化鉄が光照射下においてメタノール等の有機物を電子源として水から水素を取り出せることがわかった。しかし、詳細な機構解明には至っていない。本研究では、低環境負荷の温和な条件下で合成可能なオキシ水酸化物の新しい光機能性に着目し、その機構を解明することで、環境浄化(廃液浄化)とエネルギー生成(水素生成)を兼ね備えた材料開発を目的とする。 2022年度は、オキシ水酸化鉄を利用した液相中における有機物分解について調査を行った。メタノール水溶液中でオキシ水酸化鉄に光照射すると過酸化水素を生成できたという結果を得たが、その量は少なく多くの過酸化水素を作り出せる方法と組み合わせることで、効率的に液相中の有機物を分解できると考え、バナジン酸ビスマスを過酸化水素生成光触媒として加えた。模擬有機物としてメチレンブルー色素を選択し、その脱色度合いから有機物分解活性を調査した。オキシ水酸化鉄、バナジン酸ビスマス、その二つの混合物、全てにおいて水溶液の色が青から透明へと変化したことから、溶液中のメチレンブルー濃度は減少した。しかし、オキシ水酸化鉄とバナジン酸ビスマスの単体では、それぞれの粉末が青く着色しており、濃度減少のほとんどは粒子表面への吸着によるものだと考えられた。一方、オキシ水酸化鉄とバナジン酸ビスマスを組み合わせたものでは、粉末の色味は元と変わらなかったことから水溶液中のメチレンブルーを分解した。以上から、オキシ水酸化鉄と過酸化水素生成光触媒を組み合わせることで、溶液中の有機物を効率よく分解できることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度の成果を踏まえて2022年度は過酸化水素生成光触媒と組み合わせた新しい溶液中の有機物分解プロセスについて調査を遂行してきた。その結果、上記の組み合わせにより効率よく分解できていることが示され、有機廃液の浄化について一定の成果を出すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
オキシ水酸化鉄が光照射下においてメタノール等の有機物を電子源として水から水素を生成できた現象は、オキシ水酸化鉄だけではなく、オキシ水酸化物に特有の現象であると考えており、申請者が立てた仮説「光励起によって生じた電子による自己還元によって最表面の局所的に不安定な低価数の化合物が形成され、それが水素生成に寄与し、水素生成後は安定な価数(元のオキシ水酸化物)へと戻る一般的な光触媒の定義とは異なる機構」を実証していくことが、本研究の目的である環境浄化(廃液浄化)とエネルギー生成(水素生成)を兼ね備えた材料開発を実現するために重要である。 2023年度は、2022年度で示すことができたオキシ水酸化鉄と過酸化水素生成光触媒を組み合わせによる溶液中の有機物分解促進について、それぞれの触媒の結晶相および粒子形態等による影響を調査する。 オキシ水酸化鉄とバナジン酸ビスマスの合成と構造解析:溶液プロセスを用いて結晶相と粒径形態を制御できる条件を見つけ出す。次に、合成した試料および光反応の途中や光反応後の試料についてX線回折装置(XRD)、示差熱重量分析装置(TG-DTA)、X線光電子分光法(XPS)、フーリエ変換赤外分光法(FT-IR)、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過電子顕微鏡(TEM)などで合成したオキシ水酸化物について構造解析を行う。 光電気学測定法をもちいた表面反応の解析:光電気化学的な測定から光照射時の酸化還元反応(低価数への還元と元の価数に戻る酸化)を調査する。 模擬有機廃液を用いた廃液浄化と水素生成能の評価:オキシ水酸化鉄とバナジン酸ビスマスの酸化分解反応を利用して、色素等の脱色試験より浄化能について評価し、最適な浄化システムの構築のための指針を得る。
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Research Products
(4 results)