2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of dimensionless distribution theory with solute fundamental properties for prediction of subcritical fluid separation technique
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21H01685
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大田 昌樹 東北大学, 工学研究科, 准教授 (50455804)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 二酸化炭素 / エタノール / 水 / 分配係数 / 理論・モデル / 溶解度 / 物性 / 化学工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
安心安全な溶媒を用いた抽出分離技術に対する社会的ニーズが高まっている.申請者がこれまで科研費を中心に2012年よりオリジナル展開してきた高圧二酸化炭素(CO2)を用いた亜臨界溶媒分離法(高圧気液平衡に基づく分離法)は,1980年代より進められてきた固定床半回分式超臨界CO2抽出法の低い生産効率という技術的課題を克服するもので流通式量産化を実現している. 次なる課題解決に向けて,オリジナル理論に基づく分離予測法の開発を研究題材とした.特に,支配因子である高圧下における溶質の気液平衡比(分配係数:液相組成に対する気相組成の比)をデータバンク化するとともに,それらを精度よく再現するモデルの開発を4年という研究期間のもと取り組むことを目的とした. 令和4年度までに,低分子溶質における気液平衡比を良好に再現するオリジナルの無次元分配モデルを確立することができた.これにより,好適な分離条件等についての問い合わせがあった場合に即座に回答できるような理論計算環境の基盤を整備することができた.なお,この無次元分配モデルは,無次元溶解モデルを気液各相に対して組み合わせたものであり,独自性が高く評価されている. 令和5年度は,有機修飾無機ナノ粒子への適用性を評価した.その結果,無次元溶解モデル(pDS-nano model)ならびにこれを組み合わせた無次元分配モデル(pKD-nano model)を立て続けにそれぞれ発表することができた.有機修飾無機ナノ粒子はほぼ揮発性が無視できる物質であるため,最終年度は,さらに揮発性の考慮を視野に入れ,研究を深堀したいと考えている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
無次元溶解理論を組み合わせた無次元分配理論を確立することができたため.通常の固体溶質だけでなく,有機修飾無機ナノ粒子への適用性も検証された.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる令和6年度は,さらに固体溶質の揮発性の考慮を視野に入れ,研究を深堀したいと考えている.そのほか,融解エンタルピーなどの諸物性との相関も検討したい.
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