2022 Fiscal Year Annual Research Report
テーラーメード型アンチファウリング膜表面設計方法論の構築
Project/Area Number |
21H01686
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山口 猛央 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (30272363)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 勇貴 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (10814791)
奥山 浩人 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (80961101)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | ファウリング / 水晶振動子マイクロバランス法 / 機械学習 / 水処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
水処理膜技術は、低消費エネルギーや低環境負荷の観点から、水不足問題に貢献する重要な技術であるが、不純物が膜細孔内に目詰まりする膜ファウリング現象が大きな課題となっている。そこで本研究では、多孔質膜表面へ精密に親水性ポリマーを修飾する手法を構築し、さらに水晶振動子マイクロバランス(QCM-D)測定による精密改質表面のスクリーニング、及びデータサイエンスを駆使した水質ごとの表面設計手法を組み合わせ、それぞれの水質でファウリングを抑制する最適な膜表面をテーラーメードに設計する手法を確立することを目的とする。 本年度は、これまでに開発してきたポリドーパミンを介した精密な親水性ポリマー修飾法をQCM-D法と統合することを目指した。QCM-Dセンサー表面上に本技術を適用することによって、長さおよび密度が制御されたポリマー修飾層を形成することに成功した。さらに修飾ポリマー密度に関して詳細な検討を行ったところ、本技術ではマッシュルーム~ブラシ構造の間で自由に制御できることが明らかとなった。さらに、モデルタンパク質もしくは多糖類を混合した分析溶液をフローさせた状態でQCM-D測定を行うことにより、初めて界面が精密制御された状態で動的なファウリング挙動を追跡することに成功した。そしてpH、温度、不純物組成といった溶液条件やポリマー密度、長さを変更して系統的にファウリング挙動を調査し、機械学習への展開に向けたデータの収集を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、Grafting-to法を応用した我々独自の表面修飾技術をQCM-D法に展開することに成功した。さらに、様々な表面状態と溶液条件の下でデータ取得することにも成功し、機械学習による解析に向けた万全の準備を整えることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
主にQCM-D法を用いて、引き続き表面のポリマー層と得られるファウリング挙動との間の相関を検討し、機械学習に向けたデータベースを作成する。さらに機械学習を通して、各水質に適した膜表面状態を解析する。今年度後半では、これらの得られた知見を学会や論文発表などで公開し、本研究分野に成果を波及させ、貢献していく。
|
Research Products
(21 results)