2022 Fiscal Year Annual Research Report
Prediction of Catalytic Activity of Multinary Alloy Nanoparticle by Real-system All-electron Calculations
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21H01739
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
古山 通久 信州大学, 先鋭領域融合研究群先鋭材料研究所, 教授(特定雇用) (60372306)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 第一原理計算 / 合金ナノ粒子 / 実在系 |
Outline of Annual Research Achievements |
理論触媒科学において標準的概念である「dバンド中心」が提案されて20年以上が経った。“理論触媒科学の近年の進展にも関わらず、計算機支援による触媒材料設計は実現に遠い”とされる現状を打破し、理論・情報科学を活用した計算機支援による触媒材料設計を有効な選択肢の一つとするため、新たなアプローチが必要である。現在のアプローチは、実在系の構造と乖離した構造に基づくものであり、活性予測に対する限界も指摘されている。 本研究では、(1)ナノ粒子の不均一な構造を考慮した第一原理計算データの蓄積、(2) 記述子の網羅的探索による一般化記述子の構築、に取り組む。従来の簡易的なモデル構造を用いたdバンド中心の予測性の限界を突破し、合金ナノ粒子触媒への各種分子の吸着特性に関する一般化記述子を構築し、高活性触媒の創製に資する基盤技術の構築を目標とする。 本年度は、1.実在系第一原理計算データの蓄積、2.記述子の網羅的探索による一般化記述子の構築、に継続して取り組んだ。具体的には、2元・3元合金の吸着特性の予測のための並列化第一原理計算のデータを蓄積した。 一般化記述子に加えて、吸着特性の基盤ともなる多元素ナノ合金のトータル状態密度および局所状態密度を予測するための基盤的な取り組みにも着手した。これまで、状態密度の予測はバルク、単元素系の報告は見られるが、ナノ粒子の合金系は皆無である。多数の第一原理計算データを基盤として、新たな手法の開発に取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、データの蓄積と記述子の開発のためのツール開発を主眼として取り組んできた。計算資源は、東北大学金属材料研究所計算材料学センターのスーパーコンピューティングシステムに加えて、九州大学情報基盤研究開発センターのスーパーコンピューターの計算資源も確保することができ、データの蓄積を進めることができた。二元系、三元系の吸着特性データを蓄積し、合金系の吸着特性予測もできるようになってきた。 以上より、概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、2元系、3元系に加えて、5元系やそれ以上の多元素系合金に対する分子吸着に関するデータの蓄積を加速する。2元系で開発してきた元素固有の記述子に基づいて多元系の予測を実現することで、新たな第一原理計算をせずとも複雑な活性の予測をすることができる基盤技術の確立を目指す。さらには、状態密度の予測にも取り組む。
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Research Products
(4 results)