2021 Fiscal Year Annual Research Report
ALSの発症原因解明と治療薬開発に向けたヒト運動ニューロン-骨格筋アレイ
Project/Area Number |
21H01786
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
根岸 みどり (加藤みどり) 武蔵野大学, 薬学部, 助教 (30300750)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤山 淳 東京大学, 生産技術研究所, 特任助教 (30580592)
森本 雄矢 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 准教授 (60739233)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | マイクロ加工 / 神経 / ALS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、 ALS疾患で問題となっている局所的な運動ニューロン障害の原因を突き止め、治療薬開発を進めるため「特定の運動ニューロンを効率良く培養する手法を確立し、薬剤スクリーニング用のヒト運動ニューロン-骨格筋アレイ」構築することを目的としている。これまでに、運動ニューロンをヒトiPS細胞から効率良く分化誘導し培養するための条件を確立した。3種の異なるヒトiPS細胞全てで、同様に運動ニューロンを分化誘導することができた。次に、薬剤スクリーニング系を確立するために、神経組織のアレイを96 well plate上に構築する手法の開発を行った。ひも形状に作製された3次元神経組織をデバイス上に配置・切断し、96 well plateに転写することで、神経幹細胞や神経細胞の3次元組織を簡便にアレイ化することに成功した。開発した神経組織アレイを利用することで、神経幹細胞と分化した神経細胞での異なる薬効を評価することできた。本成果に関しては、論文投稿を行った。 ヒトiPS細胞から作製した運動ニューロンとC2C12細胞や、ヒト骨格筋との共培養を行い、神経筋接合部 (neuromuscular junction)が構築されるか検討した。運動ニューロンと筋肉を共培養することで、筋肉細胞が太くなり、多核化も進行した。共培養後、運動ニューロンをグルタミン酸で刺激することで、筋肉の収縮が観察された。薬剤を灌流投与することで、筋肉の収縮をコントロールすることが可能となった。免疫組織染色法により、運動ニューロンから伸展した軸索が筋肉と神経筋接合部を形成していることが判明した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
薬剤スクリーニング用のヒト運動ニューロン-骨格筋アレイを構築するための足掛かりとして、神経組織の薬剤スクリーニング用アレイの構築に成功したことから、本研究はおおむね順調に進行していると考えられる。また、運動ニューロンと骨格筋との共培養系の確立に成功し、神経筋接合部の形成も確認されたことからも、順調な進捗と考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、ヒトiPS細胞由来の運動ニューロンと筋肉細胞の共培養系のデバイス開発を中心に研究を進める。薬理応答を確認するために灌流培養系で一度に複数の応答を観察するためのアレイデバイスを確立する。特に運動ニューロンを興奮させた時の複数の筋肉の収縮運動を評価する系の確立を目指す。
|
Research Products
(2 results)