2021 Fiscal Year Annual Research Report
Characterization and Improvement of Organic Semiconductor Lasers
Project/Area Number |
21H01790
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
下谷 秀和 東北大学, 理学研究科, 准教授 (60418613)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 有機半導体 / 電界効果トランジスタ / レーザー |
Outline of Annual Research Achievements |
我々が研究している有機半導体レーザーは時間とともに出力が低下するため,安定した特性評価が難しいという問題衣を抱えている.有機半導体レーザーの出力の不安定性は深いトラップ準位によるキャリアのトラップに起因するとかんがえられる. そこで,本年度は両極性有機単結晶電界効果トランジスタ構造を用いた電流励起有機半導体レーザーの出力の安定化のため,有機半導体の不純物濃度がトラップ準位及び輸送特性に与える影響を明らかにした.有機半導体材料を昇華法により精製し,その都度熱分析により不純物濃度を測定して昇華回数と純度の関係を明らかにした.また,電界効果特性の温度依存性および飛行時間法によりn型およびp型のトラップ準位密度と易動度を測定した.その結果,不純物は閾値に影響するような深いトラップは形成せず,浅いトラップを形成することが分かった.また,未精製の材料から単結晶を成長させた場合とくらべ,精製により易動度を3倍に増加させることができた. 両極性有機単結晶電界効果トランジスタにおける深いトラップ準位の原因が有機半導体材料の不純物にはないことが分かった.これにより,有機半導体材料そのものの心配をすることなく,深いトラップ準位の原因と思われる他の各材料との界面の研究を行えるようになった.また,有機半導体材料の高純度化により浅いトラップ準位の減少し,易動度が向上したことによって,有機半導体レーザーの駆動電圧の低電圧化が可能になった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は有機半導体の昇華精製において,各区画の不純物濃度の測定により分取区画の決定を行うこと,また,有機半導体単結晶において不純物がトラップ準位密度および輸送特性に与える影響を不純物濃度を測定して明らかにすることを目標としていた.本年度はいずれの目標も達成することができたため,順調に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究により,有機半導体レーザーの出力の不安定性の原因から有機半導体材料の不純物を取り除くことができた.今後は,半導体―絶縁体界面等のその他の要因から,最も大きな影響を持つものを特定,解決し,安定した出力を得たのち,発光特性の評価を行う.
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