2023 Fiscal Year Annual Research Report
データサイエンス技術を活用した二次元アモルファス材料における熱物性の理論研究
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21H01816
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
南谷 英美 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (00457003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下出 敦夫 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (20747860)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アモルファス / 機械学習 / トポロジカルデータ解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
2次元材料においても、Siアモルファスで実証したようなパーシステントホモロジーによる物性予測が可能であるかを調べるために、本年度はシンプルな二次元アモルファス系に対して、データの集積及び解析を行った。2次元でアモルファスになりうるシンプルなモデルは、2成分のレナードジョーンズポテンシャルの系である。2成分系の場合、異種原子間の相互作用をどのように定めるかについては、何通りかの可能性がある。相互作用が最大になる半径について異種原子の場合には、同種原子の場合の平均を取るadditiveなモデルや、その対応関係をあえて崩したKob-Andersenモデルが存在する。本年度は、幾何平均・算術平均で相互作用半径を定義したモデル、80:20Kob-Andersenモデルの3通りについて、データをまとめた。 Additiveなモデルについては、半径が小さい原子の組成比を12から72%の間で変化させ、また半径比や相互作用強度比も変化させることで様々な条件で、195個の2次元アモルファスサンプルを作成した。各構造のパーシステントホモロジーを解析し、そのデータから典型的な物性値としてシア弾性率を予測することを試みた結果、幾何平均・算術平均のいずれの場合についても、高い精度を持つ予測モデルを作ることができた。 一方、Kob-Andersenモデルの場合には、冷却レートを変えていくことで、構造特徴を変調させた200個のサンプルを作成した。そして、構造特徴からシア弾性率を予測するモデルを作成したが、予測精度はあまり高くならなかった。これらの結果から、同じ2次元アモルファスであっても、パーシステントホモロジーによる構造特徴から物性値を予測できるかは、相互作用などのファクターによって異なることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3次元バルク構造での研究が先行して進んでいるが、2次元系についても2023年度から着手することができた。ただ、2023年度での研究対象が、レナードジョーンズポテンシャルを用いた2次元アモルファスであり、具体的な物質に対するものでは無い点が課題である。この点については2024年度に改善する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度では、レナードジョーンズポテンシャルで得られた知見を、アモルファスグラフェンやアモルファスBNへと展開する。アモルファスグラフェンについては、AIREBOポテンシャルを用いることで、melt-quenchシミュレーションによってアモルファス構造が得られることが確認できている。BNについて同様の計算が可能であるかを確認する。また、冷却レートなどの計算条件を絞り込み、パーシステントホモロジーで得られる構造特徴と物性値の相関を確認する。さらに、機械学習ポテンシャルを導入することで、より実験と近い特徴を持つ構造を作ることができるかに取り組む。
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