2023 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding of the ground principle underlying the expression of a wide variety of protein functions by studying microbial rhodopsins as a model system
Project/Area Number |
21H01875
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 圭一 東京大学, 物性研究所, 准教授 (90467001)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 微生物ロドプシン / タンパク質機能 / 機能計測 / 構造解析 / 分光計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主にイオンポンプおよびイオンチャネル型の微生物ロドプシンに着目して研究を行った。その内イオンポンプロドプシンについては、異なる機能のタンパク質間のアミノ酸を入れ替えることで互いの機能を転換し、機能発現に必要な最小要素を調べることができる機能転換実験により、過去に井上らが報告した光駆動型内向きプロトンポンプのシゾロドプシン(SzR、Inoue et al. Sci. Adv. 2020)において内向きプロトン輸送に関わるアミノ酸の同定を試みた。そして、外向きプロトンポンプ型ロドプシンのPspRに段階的に変異を加えたところ、3つの変異によって輸送方向の逆転が見られた。これにより、SzRの内向きプロトン輸送性はSchiff塩基近傍のこれら3つの残基によって生み出されていると考えられる(Marin et al. JACS 2023)。 一方、イオンチャネル型のロドプシンであるC1C2について、チャネル開閉とレチナール発色団のつながりを明らかにするため、新たに時間分解共鳴Raman分光系を構築し、各中間体におけるレチナールの構造の違いを調べ、レーザーパッチクランプや過渡吸収計測の結果と比較した。その結果、レチナールのSchiff塩基が脱プロトン化し、チャネルが開いた状態に相当するP2b状態において、レチナールのポリエン鎖のねじれが最も大きくなることが、水素面外変角振動モードのRamanピーク強度から示された。さらにねじれの緩和とチャネルのClosingはSchiff塩基への再プロトン化過程に律速されることから、これらの結果により、C1C2ではレチナールのねじれがチャネルの開閉を制御する主要因であることを明らかとした(Shibata et al. JACS 2023)。 その他、新奇ロドプシンファミリーTwR(Mannen et al. J. Mol. Biol. 2023)、カロテノイド結合型ロドプシン(Chazan et al. Nature 2023)、カリウムチャネルロドプシンのイオン輸送メカニズム(Tajima et al. Cell 2023)についても研究を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
これまでの当研究課題における研究により、ベストロドプシンやCPRロドプシン、DSEロドプシン、TwR、3-OH型カロテノイド結合型ロドプシンなど、当初の想定を大きく上回る数の新奇機能や物性を持つロドプシンのサブファミリーが同定されている。また内向きプロトンポンプ型ロドプシンやチャネルロドプシンなどの微生物ロドプシンに加え、動物ロドプシンの一種であるRGR (retinal G protein-coupled receptor)についても、機能発現や波長制御に関する知見を数多く得ている。これらのことから、本年度終了時において当初の計画以上に研究の進展が見られたと結論した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究により、細菌由来のロドプシンのうち20-30%もの分子が既知の4-keto型のものに加えて、3-OH型のカロテノイドを結合することが明らかとなったが、細菌由来の種が持つロドプシンについては明らかでない。そこで、今後は細菌以外の生物種が持つロドプシンについてもカロテノイド結合の有無や、結合するカロテノイドの種類、結合したカロテノイドの生理的役割などについて調べていく。また今年度までに調べられていないロドプシンのサブファミリーについても、機能や光反応特性などについてさらなる研究を行っていく。
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Research Products
(45 results)
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[Journal Article] Structural Basis for Color Tuning and Ion Selectivity in Potassium-Selective Channelrhodopsins2023
Author(s)
S. Tajima, Y. S. Kim, M. Fukuda, Y.J. Jo, P. Y. Wang, J. M. Paggi, E. F.X. Byrne, K. E. Kishi, S. Nakamura, C. Ramakrishnan, S. Takaramoto, T. Nagata, M. Konno, M. Sugiura, K. Katayama, T. E. Matsui, K. Yamashita, S. Kim, H. Ikeda, M. Inoue, H. Kandori, R. O. Dror, K. Inoue, K. Deisseroth, H. E. Kato
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Journal Title
Cell
Volume: 186
Pages: 4325-4344.e26
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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