2021 Fiscal Year Annual Research Report
元素不飽和活性種に基づく新奇複素環化合物の合成研究
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21H01935
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大江 浩一 京都大学, 工学研究科, 教授 (90213636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 和紘 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 研究員 (30552658)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ゲルミレン / シリレン / ホスフィニデン |
Outline of Annual Research Achievements |
第14、15族元素を含む有機不飽和活性種前駆体の合成とそれらと遷移金属錯体との反応を検討した。ジアルキルシリルおよびジアルキルゲルミルのグリコール酸,マンデル酸環状エステルおよび非天然型アミノ酸からの誘導されるジアルキルシリルおよびジアルキルゲルミル前駆体の合成を試みた。グリコール酸,マンデル酸環状エステルの合成は完了し、低原子価のニッケルやパラジウム錯体との反応の検討により、フラグメンテーションが起こることおよびゲルマノンの3量化や4量化体が生成することを見出したが、不飽和炭化水素化合物との環化反応を見出すには至っていない。非天然型アミノ酸から誘導されるジアルキルシリルおよびジアルキルゲルミル環状前駆体については、合成したアミノ酸とジクロロジメチルゲルミルおよびシリル化合物をそれぞれ塩基性アミンの存在下反応させて合成した。非天然型アミノ酸から誘導されるジアルキルシリルおよびジアルキルゲルミル環状前駆体は、1H NMR等の解析により構造決定はできているが、環境安定性が若干低いため取り扱いが難しいこともあり、現在単離方法の改良に取り組んでいる。単離方法が確立してから、遷移金属錯体との反応によるシリレンやゲルミレンの発生法の検討に速やかに移行する予定である。また、トランスメタル化法によるフェニルフォスフィニデンの発生については、対応するビスシリル化合物と銅錯体との反応を検討し、シリル基の交換が起こることを確認しているが、銅錯体上の配位子をさらに工夫することにより、その効率化を上げる検討を現在行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1. ジアルキルグリコール酸およびマンデル酸環状エステルのゲルミレン前駆体の創成には成功しているが、対応する非天然型アミノ酸置換環状前駆体は、エステルに比べ環境安定性が若干低いため、単離精製法を確立する必要がある。 2. ホスフィニデン前駆体は、直接法では5価りん化合物が生成するため、別ルートを検討する必要がある。従って、ゲルミレン前駆体の合成、単離が成功すればホスフィニデン前駆体は合成できると思われる。 3. ゲルミレンおよびホスフィニデンのためのビスシリル前駆体に関しては調製法はすでに確立し、トランスメタル化法によりゲルミレンおよびホスフィニデン錯体の発生法を鋭意検討中であるが、反応に最適な第11 族のCuやAu の錯体の調製が課題となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
進捗状況に示したいくつかの問題点を解決して、不飽和活性種前駆体の調製法を確立し、遷移金属錯体触媒を用いた不飽和炭化水素とゲルミレン、フォスフィニデン、シリレン前駆体との反応による新規複素環合成法を開発する。
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Research Products
(3 results)