2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Highly Active and Reusable Polymer Metal Catalysts with High Stability
Project/Area Number |
21H01979
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山田 陽一 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, チームリーダー (50317723)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 高分子配位子 / コバルト触媒 / 環化三量化 / 不溶性超分子触媒 / 位置選択性 |
Outline of Annual Research Achievements |
高活性でかつ高い再利用性・耐久性を兼備し、金属の漏れ出しが無い固定化触媒の開発は、医薬品合成・機能性材料合成といったファインケミカル合成を志向したグリーンケミストリーの推進に重要である。さらに、グリーンケミストリーの観点から、パラジウム、ロジウムなどの貴金属から脱却した、安価で比較的豊富に存在する鉄、コバルト、ニッケル、銅など第4周期遷移金属を活用した固定化触媒の開発が重要である。その一方でこれらの金属は配位子から解離しやすい性質があるため、高い安定性を有し、高活性・高再利用性の固定化触媒の開発はいまだ発展途上の状況である。 そこで研究代表者は、高活性で高再利用性を有する固定化触媒として、ニッケル、コバルト、銅、鉄などと高分子配位子から調製される、ナノ空間を有する分子もつれ型固定化普遍金属触媒の創製とその物質変換反応の開発、医薬品合成への応用を検討している。 該当年度では、高分子配位子とコバルトからなる超分子触媒の開発を行った。その結果、不溶性の高分子コバルト触媒が生成した。XAFS、ICP-MS、元素分析など各種分析の結果からコバルト原子周りの局所構造が同定された。 この触媒を用いると、アリールアルキンの環化三量化反応において特徴的な選択性を示した。通常、アリールアルキンの環化三量化反応では1,2,4-triarylbenzene類が生成するが、この触媒系では1,3,5-triarylbenzene類が選択的に得られることが判った。この系で、1,2,4-triarylbenzene類は検出されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高分子触媒ならではの特長的な選択性をもたらす新規高分子コバルト触媒が開発できたため。これは「さらに、グリーンケミストリーの観点から、パラジウム、ロジウムなどの貴金属から脱却した、安価で比較的豊富に存在する鉄、コバルト、ニッケル、銅など第4周期遷移金属を活用した固定化触媒の開発が重要である」という研究代表かの目標に合致した結果である。
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Strategy for Future Research Activity |
より高活性かつ高耐久性の高分子金属触媒を開発し、各種有機変換反応に適用する。
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Research Products
(15 results)