2021 Fiscal Year Annual Research Report
Formation of disulfide bonds by photooxidation at solid-liquid interface and application to photocharged secondary batteries
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21H02052
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
藤原 明比古 関西学院大学, 工学部, 教授 (70272458)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 二次電池 / 光充電 / 光酸化 / 正極活物質 / 有機硫黄材料 / ジスルフィド結合 |
Outline of Annual Research Achievements |
外部充電不要な小型電子機器が実現すれば、情報通信技術(ICT)やIoT機器の利便性、メンテナンス性が飛躍的に向上する。現在、太陽電池と二次電池とを組み合わせた電子機器は存在するが、機器が大型化し、携帯型電子機器への応用は困難である。 本研究の目的は、外部電源がなくても使用可能な小型電子機器の実現に向け、光による充電機能を有する二次電池正極材料を開発し、光充電できる電池を作製することである。具体的には、ジチオビウレット(DTB)をベースとした有機硫黄材料のジスルフィド結合(S-S結合)の電気化学的充放電(酸化還元)、光充電(酸化)について多様な分析手法を駆使し、(1)高効率光酸化条件の決定、(2)電池セル内光化学反応の機構解明、(3)外部充電不要な光充電の作製、のステップで研究を進める。 初年度(2021年度)は、硫黄含有分子を集電材に塗布するためのスラリー(正極活物質、導電助剤、バインダ、溶媒の混合物)作製のために、材料混合用の粉砕機を設備備品として購入した。粉砕機の粉砕強度、粉砕時間により正極電極性能が大きく異なることが明らかになり、その最適化を行い、標準試料となる無機物質においては理論値通りの容量を示す正極シートの作製に成功した。研究対象となる有機活物質においては、低い伝導性の問題を回避するために導電助剤の割合を多くする必要があるが、それにより、粉砕・混合がされにくいことも明らかになった。次年度に向け、有機活物質におけるスラリー作製条件の最適化と正極の電気化学的性質の評価の指針を決定した。初年度の大きな成果として、ガラス製セル、窓付きセルの2種類の光照射可能なセルにおいて、標準的な材料を用いた電池作製技術を構築した。本成果をベースに、正極活物質に光照射可能な材料配置にした電池構造デザインを見出し、今後の光照射の効果実験のための要素技術を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで溶液で行ってきた硫黄含有分子の光酸化反応を、二次電池の正極と同様に集電材(アルミニウムフォイル)へ塗布し、液相に浸すことで、実際の電池セル内での環境に近い状態での光酸化反応とその評価を計画した。しかし、スラリー作製時の材料混合の粉砕機の粉砕強度、粉砕時間により正極電極性能が大きく異なることが明らかになり、その最適化を行った。標準試料では条件最適化に成功し、対象となる資料では条件決定の指針が得られた。また、光照射可能なガラス製セル、窓付きセルの2種類の光照射可能なセルにおいて、標準的な材料を用いた電池作製技術を構築した。以上より、固液界面での光酸化効果までは実施できなかったが、その正極シート作製技術基盤を構築するとともに、将来計画であった光照射可能な電池セル作製技術を構築でき、予想以上の進捗を示した部分もあったため。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度(2021年度)構築したスラリー作製要素技術をベースに有機活物質におけるスラリー作製条件の最適化と正極の電気化学的性質の評価を第一に行う。また、正極活物質に光照射可能な材料配置にした電池作製を行い、光照射効果を明らかにする。この際、光照射に最適な部材選択や配置選択などを行い、光照射の効果が明確に区別できるセル作製を行う。更に、正極シート内の有機正極活物質の状態評価方法を確立する。 これらの3つの要素技術を融合することで、光照射可能な電池セルでDTBベースの正極活物質を用いた電池の光照射効果を明らかにする。その後、電気化学環境の最適化による光酸化条件の最適化を目指す。
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Research Products
(2 results)