2021 Fiscal Year Annual Research Report
海洋天然物の結合タンパク質同定による創薬標的の開拓
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21H02069
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荒井 雅吉 大阪大学, 大学院薬学研究科, 教授 (80311231)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 活性天然物 / 医薬シーズ / 創薬標的 / 標的分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
活性天然物の探索では、エクソソーム産生阻害活性を有する海洋由来真菌の培養抽出物を見出した。また、その活性物質の精製を終え、現在、構造解析を実施している。また、探索研究の過程で、エクソソーム産生を上昇させるサポニンHを見出した。さらに、低栄養適応がん細胞に対して、選択的に増殖阻害活性を示す海洋由来真菌の培養抽出物を見出し、活性物質の単離・精製を進めている。 エクソソーム産生を阻害する化合物として見出していたAsterotoxinについては、そのシグナル伝達等への影響を解析することにより、細胞内でのエクソソームの分解を促進することを示唆する知見を得た。また、潜在性結核菌にも有効な化合物Lについては、ゲノムDNAライブラリー形質転換微生物を利用する標的分子解析法で、2つの耐性株の取得に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
探索研究では、複数の化合物または所望の活性を示す培養抽出物を見出しており、創薬標的開拓の基軸となる活性物質が順調に得られつつある。また、2つの化合物の作用機序解析と標的分子の解析も計画通り進んでおり、特にAsterotoxinについては、既存の阻害物質とは異なる作用機序を有することを示唆する知見が得られており、新規創薬標的の創出が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き探索研究を継続して、創薬標的開拓の基軸となる活性天然物の取得を目指す。また、すでに単離に成功した2つの化合物については、その作用機序と標的分子の解析を開始する。一方、Asterotoxinについては、その標的分子の同定に向けて、化合物のプローブ化を実施する。抗結核活性を有する化合物Lについては、見出した耐性株に含まれるコスミド配列を解析するとともに、Lに対して耐性を付与している遺伝子の絞り込みを進める。
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