2023 Fiscal Year Annual Research Report
Cereal plant transformation using endophytic agrobacteria
Project/Area Number |
21H02167
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
鈴木 克周 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 特任教授 (50221320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
力石 和英 岡山大学, 資源植物科学研究所, 助教 (90220798)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 内生菌 / 植物形質転換 / Agrobacterium / Riプラスミド / Tiプラスミド |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に作成したT-DNA領域削除加工用プラスミドを使用して、T-DNA領域を欠くpRiNR3プラスミド(pRiNR3_TL)を作成できた。pRiNR3_TLを持つNR3株は酵母菌をDNA受容生物とする実験でモデルT-DNAプラスミドを順調に輸送できたので、植物用バイナリープラスミドを装備させてタバコ培養細胞の形質転換を行った。その結果、世界で汎用的に使用されている有用アグロバクテリア菌株EHA105よりも明瞭に高頻度で形質転換できた。穀類植物の形質転換に供試したところ長い選抜培養期間中に抗生物質でアグロバクテリア抑制できず増殖してしまうことがしばしばあった。この問題を解決するために、トリプトファン合成遺伝子を破壊した変異体アグロバクテリア菌株を作成した。 pRiNR3上に植物ホルモン合成機能を担うと考えられる遺伝子クラスターについても欠失変異体を作成した。野生型pRiNR3を持つ菌株の培養液は高いサイトカイニン活性を示したのに対して、遺伝子クラスターを欠く変異体の培養液ではサイトカイニン活性が無いことから、推定通り遺伝子クラスターはサイトカイニン合成機能を持つと判断した。 イネから単離した内生菌アグロバクテリア菌株4株については、ムギ類植物体から単離したA. tumefaciens以外の内生菌アグロバクテリア菌株7株と合わせて解析した。計11菌株は形質およびDNA配列がよく保存されて同じ種に属すると考えれらた。4つのゲノムタイプへと分類できた。イネからの単離株菌数は少数ながら、ムギ類植物体からの単離株よりも多様性が高いことも把握できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コムギ由来の内生菌株が持つpRiNR3プラスミドのT-DNA領域を欠失させる操作が完了し、タバコ培養細胞を使用した形質転換能力を評価したところ、既存有用株よりも高い能力を持つことがわかった。一方、選抜に長い期間を要する形質転換では、アグロバクテリアを抑制できず増殖してしまう現象もあった。 他の項目は予定通り、あるいは予想外に進捗した。 研究課題全体としてはおおむね順調といえよう。
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Strategy for Future Research Activity |
T-DNA領域を欠くpRiNR3プラスミドを持つアグロバクテリア株は、タバコ培養細胞を高頻度に形質転換できた。この有用形質にpRiNR3上の遺伝子によるサイトカイニン合成機能が寄与するか解析する。 選抜培養期間中に抗生物質で内生アグロバクテリア株を抑制できず増殖してしまうことがしばしば生じたので、この問題を解決するためにトリプトファン合成遺伝子を破壊した変異体アグロバクテリア菌株を作成した。この変異体を用いて植物形質転換実験を行う。
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Research Products
(5 results)