2021 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive analysis of the gall formation mechanisms using super-nested symbiotic system in Smicronyx madaranus.
Project/Area Number |
21H02203
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
土田 努 富山大学, 学術研究部理学系, 准教授 (60513398)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 義人 茨城大学, 農学部, 教授 (90222067)
別所 奏子 (別所・上原奏子) 東北大学, 生命科学研究科, 助教 (90876624)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 虫瘤 / ゴール / 共生細菌 / 延長された表現系 / 光合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、4年間の研究期間中に、以下の3つの中課題に全力を上げて取り組む:1) マダラケシツブゾウムシによる虫瘤形成実態の把握、2) 虫瘤形成に関与する、昆虫および共生細菌側の分子機構の解明、3)虫瘤形成に関与する植物側分子機構の解明。 本年度、中課題1では、虫瘤形成が生じる部位や、虫による行動、どのようなタイムスケジュールで進むのかの詳細な解析を行った。その結果、虫こぶはアメリカネナシカズラの節にのみ生じることが明らかになった。また、雌成虫が節に口吻で産卵孔を形成した後に、産卵することで、ゴールの肥大化が始まることが明らかになった。さらに、虫瘤内に幼虫がいる間は虫瘤が肥大化していくが、虫瘤から幼虫が脱出すると虫瘤の肥大化が止まり縮小化されていくことが示された。アメリカネナシカズラは完全寄生性植物であり、光合成をほとんど行わないことが知られている。しかし、虫瘤が形成されると、葉緑体が発達して光合成能が活性化し、光合成産物であるでんぷんが高濃度で蓄積されることが明らかになった。虫瘤内に蓄積されたでんぷんは、幼虫の餌となっていることが示唆され、虫瘤は本種ゾウムシによる延長された表現系として機能していることが示された。以上の内容を論文にまとめて、国際誌で公表した。 また、本種体内には共生細菌がいることが示されているが、機能解析を行うために、抗生物質処理による共生細菌の除去を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りに研究が進捗した。国際誌にて論文を公表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、中課題2および3について注力する。RNA-seqを用いた遺伝子発現プロファイルを明らかにするとともに、RNAiやVIGSなどの昆虫側および植物側の遺伝子機能解析手法を確立する。
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