2022 Fiscal Year Annual Research Report
Developing the RTM for tracing ecophysiological dynamics and assessing ecosystem functions
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21H02230
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
王 権 静岡大学, 農学部, 教授 (50402235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楢本 正明 静岡大学, 農学部, 准教授 (10507635)
飯尾 淳弘 静岡大学, 農学部, 准教授 (90422740)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | RTM / 分光反射特性 / 生理機構 / ダイナミクス / 評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、分光反射特性の植物生理特性に対するレスポンスメカニズムを明らかにし、植物生理パラメーターのダイナミクスを追跡可能な新しいアルゴリズムの開発を目的とする。これらのアルゴリズムをガス交換モデルに連結して、分光反射特性から炭素・水フラックスをマルチスケールで評価可能な新しい放射伝達モデルを構築し、森林の炭素・水フラックスのダイナミックな変化を再現し、気象変動や攪乱のインパクトを評価する。 本年度は引き継ぎ、主な研究サイトである静岡大学農学部附属南アルプスフィールドの落葉広葉樹林試験地において、マルチスケールにおけるガス交換特性、分光反射シグナル、生物物理、生化学及び生理特性を同時に測定した。切り枝法を用いてキャノピー内におけるA/Ciの変化と光曲線によるVcmax 、Jmax、光飽和点等生理特性の変化を調べた。プロット内の林冠構造は、定期的にUAVに搭載したシステム(L1とP1)、LI-2000及びFisheyeなどを用いて測定し、季節の動態を把握した。南アルプスフィールドのほかに、新潟県苗場山ブナ林(標高900m)に生育する若いブナ林をUAV測定システムを使用して、構造特性を測定した。これらにより、ベースデータを充実させた。 分光反射特性を用いて光合成能力を示すVcmaxとJmaxを推定するPLSRモデルを構築した。さらに、UAVで撮影したRGB画像を深層学習アプローチを用いて自動的に樹冠を検出し、樹冠面積を推定する方法を実現した。これにより、森林生態系の構造動態を迅速に把握することが示された。また、ガス交換、反射率、クロロフィル蛍光を結合した個葉スケールのRTMモデルも開発され、現在様々な検証が行われている。これにより、分光反射特性を用いた炭素・水フラックス評価の基盤を築くことを進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
地上LIDARシステムとキャノピー分光反射測定システムの不調で、一部のデータの収集は影響を受けたが、マルチスケールのガス交換特性、分光反射特性、キャノピーとのプロットの3次元構造、生化学特性及び生理などの必要データの収集は順調に進んでいる、ベースデータの充実ができた。他にはデータの解析も進んでいる。こうした結果の一部は査読付き論文及び多数の学会発表によって公開した。
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Strategy for Future Research Activity |
地上LidarとUAV測定システム(L1とP1)を使用して、プロットの3次元構造を把握し、マルチスケールでの分光特性、ガス交換特性、および生態生理特性を同時に測定し、フィールドデータセットをより一層充実させる予定である。また、実験室での制御実験も行う。さらに、生理生態レスポンスを考慮したキャノピースケールのRTMモデルを開発し、より詳細な生理的なプロセスを考慮したモデルを構築する予定である。
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