2021 Fiscal Year Annual Research Report
Appetite regulation by olfaction and gustation in yellowtail
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21H02286
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
深田 陽久 高知大学, 教育研究部自然科学系農学部門, 教授 (10380304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村下 幸司 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産技術研究所(南勢), 主任研究員 (60597649)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 食欲 / 嗅覚 / 味覚 / ブリ / 摂餌量 / 食欲関連ホルモン |
Outline of Annual Research Achievements |
行動解析:アラニン(Ala)とプロリン(Pro)の単独または複合添加に対するブリの摂餌行動を解析した。これまでの結果と同様にAlaの単独添加では「探す(Search)」を強く誘起し、Proの単独添加では水面へのついばみを「口にする(Bite)」を強く誘起した。AlaとProの複合添加では、0.25:1.25から1.25:0.25(mol比)まで段階的に混合比を調整した。Bite数はProの添加濃度に強く依存した。Search数はAla0.5以上でほぼプラトーとなった。 摂餌試験:魚粉を配合しない無魚粉飼料を基本飼料とし、これにAlaとProを単独、または複合で添加した。一般的な魚粉飼料を陽性対照とし、8日間の摂餌量を比較した。その結果、基本飼料へのAlaとProの単独添加によって、やや摂餌量が増加した。Ala:Proのmol比を1:1または2:1では、それぞれの単独添加における摂餌量は差が無かった。1:2で添加した際には大幅に摂餌量が増加した。これにより、AlaとProの比率が摂餌量の増加には重要であることが分かった。 食欲関連ホルモンの応答:食欲関連ホルモン(NPY, AgRP1, AgRP2, Orx)の測定を行った。給餌前および給餌後10分と30分に視床下部を採取し、qPCRによって上記ホルモンの遺伝子発現量を測定した。その結果、顕著な応答は見られなかった。今後、終脳と小脳においても同様に測定を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書類に記した計画に従い、実験を進めており、すべての項目で本年度はほぼ予定通り完了できた。当初の予定では、摂餌量の試験において低魚粉飼料(魚粉含量15%)を用いる予定としていたが、魚粉の品質によっては低配合量でも摂餌量が多いケースが見られた。そのため、基礎的な知見の集積においては、摂餌誘引物質を多く含む魚粉を使用せず、乳タンパク質であるカゼインを主タンパク質源として用いる事にした。また、イノシン酸においても単独添加で強い摂餌量改善効果が見られ、アミノ酸による影響の判断が困難となった。そのため、本年度の試験では、IMPを除外して試験を進めた。これらによって、AlaとProの比率が重要であることを発見できたと考えており、これは最終目標である摂餌量の増加を達成するために重要な成果と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
計画書では、低魚粉飼料(魚粉含量15%)を用いるとしていた。しかしながら、本年度の試験中、十分な摂餌誘引効果を有する魚粉も存在することが分かった。また、魚粉の品質はやや不安定なため、コンスタントな結果を得ることが難しいと判断した。そこで、今後の研究では上述と同様に魚粉は使用せず、無魚粉飼料を基本飼料として今後の研究を進める。最終年においては、無魚粉飼料だけでなく、当初の開発目標であった低魚粉飼料における摂餌性の改善も行うこととする。その他においては、おおむね順調であることから、計画書に則って研究を進める。
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