2021 Fiscal Year Annual Research Report
Perceptions of climate change and adaptation strategies among farmers in Japan : Development of management theory against climate change
Project/Area Number |
21H02299
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊庭 治彦 京都大学, 農学研究科, 准教授 (70303873)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白岩 立彦 京都大学, 農学研究科, 教授 (30154363)
山下 良平 石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (40515871)
野中 章久 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (60355253)
片岡 美喜 高崎経済大学, 地域政策学部, 教授 (60433158)
上西 良廣 九州大学, 農学研究院, 助教 (60783248)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 気候変動 / 農業者の適応行動 / スマート農業 / 農業経営管理者 / SDGs |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の初年度となる2021年度は,コロナ渦という条件の下で三つの活動を行った。第一に,国内研究と海外研究者(米国,タイ国,ドイツ,台湾)による合同研究会を開催し,各国における農業に対する気候変動の影響とその適応の方向性について情報共有を行った。第二に,研究の遂行に必要となる分析枠組みを構築するための既存研究のレビューである。研究分担者毎に自己の関心領域にある既存業績を収集し,研究内容の動向に関する理解を図った。第三は,研究に関わるデータの収集であり,2種類の調査をした。一つは,農業経営および関係機関に対する聞き取り調査である。北陸地方,中部地方,関東地方,近畿地方において,農業者および関係機関に関する聞き取り調査を実施した。例えば,北陸地域に関しては,複数の大規模経営体に対して聞き取り調査を行い,農地集積後の生産性改善や気候変動への対応,経営規模縮小の見込みなどを比較し,経営の現況を捉えた。また,中部地方に関しては,在来作物に対する気候変動の影響に関して,県庁,普及所,生産者を対象に聞き取り調査を実施した。その結果,夏作である大豆は降雨傾向の変化による出芽不良が指摘され,収量に大きく影響している現状が明らかになった。関東地方に関しては,学校給食における地産地消に関する調査および新規就農支援施策に関する調査を実施し,国内農業者における気候変動への対応は積極的に実施されていない状況が確認できた。次に,アンケート調査は,近畿地方および北陸地方の各府県の農業法人協会の会員農業経営を対象に郵送により実施した。アンケート内容は,気候変動による影響の認識および影響の内容,実施している適応活動,抑制活動への取り組み意向である。アンケートは445件を配付し,回収数281件 (63%),内,有効回答数232件 (82%)を得た。次年度以降,回収したアンケートの解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度はコロナ問題の影響から,現地調査が予定どおりには進まなかった。具体的には,農業者等の調査対象者へ調査引き受け依頼を行ったところ,コロナ問題の改善後に検討するとの返答をいただいたことによる。そのため,今年度の実施を予定していたいくつかの調査を延期し,積み残し分には2022年度に実施することとした。それ以外の研究活動については概ね計画に基づき遂行できた。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度の研究推進状況を受けて,2022年度は次の内容にて研究を遂行する。 第一に,積み残しとなっている現地調査の実施である。コロナ問題が改善された時点で調査先への打診を行い,引き受け可能な場合には十全の感染防止策を講じ調査を行う。 第二に,調査結果については研究成果としてとりまとめ広く発信する。具体的には,本科研のメンバー間で情報の共有を行うことも目的の一つとして,国内研究者と海外研究者が同一の国際学会(豪州ケアンズ開催)に参加しそれぞれ研究報告を行う。また,その準備として合同の第2回研究を事前に開催する。 第三に,研究成果の論文としての公表である。国内外のジャーナルへの投稿等により積極的に情報発信を行う。
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