2021 Fiscal Year Annual Research Report
網羅的な細胞組織構造・オミクス分析で解析する真の低温障害発生メカニズム
Project/Area Number |
21H02323
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
渡邊 高志 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, 研究員 (60760767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 泰雅 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, 主任研究員 (30736781)
冨田 理 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, 主任研究員 (70758101)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 低温障害 / 細胞組織構造 / メタボローム / トランスクリプトーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、低温障害発生の要因を詳細に解析することにあり、細胞組織の物理特性、メタボローム、トランスクリプトーム解析など複数のアプローチを行う。熱帯・亜熱帯産青果物の低温障害発生に伴う物理的・化学的・生理学的変化を同時に検証し、それらの結果から低温障害発生メカニズムの詳細を考察する。得られた結果から、低温障害の発生を正しくモニタリングできるパラメータXを提示し、低温貯蔵可能限界温度・時間を策定するために必要な低温障害評特性評価法として確立する。2021年度の当初の計画は代表的な熱帯・亜熱帯産青果物品目をサンプルとしての貯蔵試験と予備的な解析の実施となる。まずは代表的な熱帯・亜熱帯産青果物であるキュウリ・サツマイモをモデルサンプルとし、それらの適切とされる貯蔵温度帯または低温障害発症が認められる温度帯である2~15℃程度での貯蔵試験を行い、一般に低温障害発症の指標とされている細胞膜からのイオンリーク程度の他、電気インピーダンスによる細胞膜健全性、X線CTによる構造分析等の物理特性解析用の試料を成形するとともに、核磁気共鳴法による組織内代謝産物の消長評価やRNA-sequenceによる遺伝子発現の網羅発現解析用の試料も作製し、予備的なプロトコルの確認および計測試験を実施できた。また、次年度への予算繰越により、トマト試料の貯蔵試験も実施し、予定していた3品目の解析用のサンプリングを行うことができた。コロナウイルスの感染拡大による業務停止期間に伴い、一部の計画進行に遅れが出たものの、試験計画の変更により、基本的なサンプリングを進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナウイルスの感染拡大による業務停止期間に伴い、一部の計画進行に遅れが出たものの、予算繰越および試験計画の変更により、基本的なサンプリングを進めることができた。予定していた貯蔵試験や予備的な検討も終えることができたため、「おおむね順調に進展している。」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
サンプリングした試料の貯蔵試験結果に基づき、低温障害により不可逆的なダメージを追う貯蔵温度・期間におおよその目途を付ける。凍結試料等を用いた追加の各種分析を進めるとともに、得られた結果から、低温障害発生メカニズムの詳細を考察する。
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