2022 Fiscal Year Annual Research Report
Improvement of gut health to make chickens strong against stress
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21H02344
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
豊後 貴嗣 岡山理科大学, 獣医学部, 教授 (40325361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新居 隆浩 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 准教授 (90804873)
スルチョードリ ビシュワジット 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (00535453)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ストレス / 腸内環境 / 腸内細菌叢 / ニワトリ |
Outline of Annual Research Achievements |
(実験1)ニワトリヒナの糞便微生物叢に及ぼすショウガ粉末の飼料添加効果を調べた。ヒナには2日目から10日目まで、対照スターター飼料、ショウガ粉末を含む飼料を与えた。その結果、ショウガ粉末は血漿中の代謝物に変化を与えなかったが、ショウガ含有飼料はビフィズス菌群を有意に増加させ、大腸菌群と乳酸菌群を減少させた。 (実験2)生体内においてタウリンが暑熱を含むストレスの緩和に重要な役割を示すことが報告されていることから、暑熱環境下におけるニワトリヒナの糞便微生物叢に及ぼすタウリンの効果を調べた。10日齢ヒナに水あるいはタウリン溶液(16 mmol/kg)を経口投与するとともに、熱的中性圏あるいは高温環境(40°C)に2時間暴露した。実験終了後、盲腸内容物中の細菌叢を解析した。その結果、タウリン給与によって大腸菌群およびサルモネラ菌群が減少する傾向が示されたが、明確な暑熱暴露の影響および交互作用は認められなかった。タウリンのストレス緩和効果において、悪玉菌とされる菌群の減少が関与している可能性が考えられた。 (実験3)暑熱下においてシトルリンが短期的に体温上昇を緩和することが報告されている。本実験では、ニワトリヒナの糞便微生物叢に及ぼす長期シトルリン給与の影響については調査した。3日齢ヒナに市販飼料あるいはシトルリン添加飼料(1%)を給与し、21日齢まで飼育した。なお、環境温度は熱的中性圏とした。実験終了後、盲腸内容物中の細菌叢を解析した。その結果、乳酸菌群、大腸菌群、クロストリジウム菌群およびタビフィズス菌群については、シトルリンの影響は示されなかったが、サルモネラ菌群が減少することが認められた。シトルリンの体温上昇緩和効果において、盲腸内細菌叢のバランスの変化、特にサルモネラ菌の減少が関係していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ストレス緩和効果のある物質と腸内環境との関連性については、多くの知見を得るに至った。本年度において細菌叢のバランスについてさらに詳細な検討を加えることで最終目標であるストレスからの回復について有効な方策を打ち立てられるものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
ストレスからの回復について、飼料添加物等を用いた試験についてさらに行い、適正な細菌叢バランスについて検討を行う。
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