2021 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanism for cell-fate conversion of non-pituitary tissue stem cells to gonadotrophs
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21H02359
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
樋口 雅司 鳥取大学, 農学部, 准教授 (70614791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 亮 鳥取大学, 農学部, 准教授 (20704901)
割田 克彦 鳥取大学, 農学部, 准教授 (40452669)
北村 直樹 鳥取大学, 農学部, 准教授 (80301951)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | マウス / 下垂体 / 毛包 / 組織幹細胞 / 細胞分離 / 運命転換 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、採取の容易な非下垂体(毛包)PRRX1陽性幹細胞が性腺刺激ホルモン(LH/FSH)産生細胞に分化転換する仕組みを解明し、非下垂体由来ホルモンを効率的に回収する方法の開発を目指している。初年度は、1: マウス下垂体および毛包に存在する組織幹細胞(PRRX1陽性幹細胞)を分離してその性質を評価すること、2: それらの細胞を不死化すること、そして、3: 下垂体の組織幹細胞をLH/FSH産生細胞へ分化誘導する条件を検証することを目的に実験を行い、以下のような成果を得た。
1. マウス下垂体前葉および毛包に存在する組織幹細胞(PRRX1陽性幹細胞)の性質比較と不死化のため、それらの細胞の分離・培養方法を確立した(学術論文として発表済)。次に、DNAマイクロアレイ解析により網羅的に遺伝子発現データを回収し、データマイニングを実施した。その結果、下垂体前葉よりも下垂体の組織幹細胞において高発現する遺伝子を選抜することができた。現在、下垂体と毛包の組織幹細胞との比較を実施中である。 2. 不死化に適した培養条件の予備検討を行い、播種する細胞数と培養日数を決定することができた。今後、レンチウイルスベクターを用いた不死化を直ちに開始する予定である。 3. 下垂体の組織幹細胞を適切な培養液に懸濁し、浮遊凝集体の形成条件を決定した。また、細胞分離に適した培養液では分化がほとんど進行しないが、培養液の組成を変えることにより下垂体の組織幹細胞がホルモン産生細胞へ分化することを見出した。この条件においては、分化した細胞の約30%がLH/FSH産生細胞であるため、比較的選択的にLH/FSH産生細胞が作製できたと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
下垂体の組織幹細胞において高発現する遺伝子の選抜を完了できたこと、組織幹細胞の不死化に目処が立っていること、LH/FSH産生細胞へ分化しやすい、大まかな条件を見出していることから、本研究は順調に進行していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
下垂体と毛包の組織幹細胞の遺伝的性質の比較を完了し、それらの類似性と差異を明らかにする。また、レンチウイルスベクターを用いて両細胞の不死化を完了する。そして、下垂体の組織幹細胞においてLH/FSH産生に分化しやすい条件を確定し、毛包の組織幹細胞の分化誘導に適用して下垂体の細胞への運命転換が起こるか解析する。分化誘導実験においては、阻害剤やsiRNAを適用する実験も行い、運命転換の分子基盤の解明に取り組む。
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Research Products
(2 results)