2023 Fiscal Year Annual Research Report
delineation of renal oxygen homeostasis disorders using urinary exosomes
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21H02363
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
池田 正浩 宮崎大学, 農学部, 教授 (60281218)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 腎薬理学 / 低酸素 / 酸化ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
目的達成のために計画している研究項目は、(1)NRF2やHIF活性が変化するモデル動物を用いた網羅的解析、(2)システムバイオロジー解析によるバイオマーカー候補分子の選定、(3)疾患モデル動物を用いた実証研究の3つである。最終的にはこれらの結果を総合的に考察して、腎のNRF2やHIF活性を非侵襲的に捉えて、腎の酸素状態を描出する。そしてそれに基づく診断シーズを提案すること、腎病理学分野の理解を進展させることなどを行う。研究計画では、最初の2.5年間で、1)および2)を、残りの1.5年間で3)を完成させることになっている。 2023年度までには、上記(1)のうち、NRF2活性が変化するモデル動物において網羅的解析(マイクロアレイ解析)を実施した。NRF2については、NRF2の結合分子であるKEAP1分子の構造を変化させてNRF2を活性化するバルドキソロンメチルを用いた。バルドキソロン投与動物の腎および尿中細胞外小胞を採材して溶媒投与群のものとマイクロアレイ解析によって比較した。その結果、腎および尿中細胞外小胞画分で共通に2倍以上あるいは50%以下に変化する9種類のmRNA、および1種類のmiRNAを発見した。また、次世代シークエンサーを用いて尿中細胞外小胞画分を解析したところ、最終的には2種類の候補分子を見出した。 HIFの活性化薬(PHD(プロリン水酸化酵素)阻害薬)を用いて、尿中細胞外小胞画分のマイクロアレイ解析を行った。その結果、2分子をバイオマーカー候補として見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要のところで述べたように、NRF2およびHIF活性を捉えられる可能性のある分子を見出したことから、当初計画の通りに順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
順調に進捗しているので、今後も計画通りに研究を進める。 2024年度には、腎のNRF2活性あるいはHIF活性によって発現量が変化する2分子について、バイオマーカーとしての妥当性を検討する。この検討では、in-situ hybridizationによる候補分子の腎内局在の解析や、尿中細胞外小胞中の核酸分子のPCR検出法などについての検討も行う。また、急性腎障害モデルを用いて、候補分子によってNRF2活性やHIF活性を検出できるかどうかの検討も実施する。
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