2022 Fiscal Year Annual Research Report
Deccoding meiotic initiation mechanism with transcription-factor-induced oocyte like-cells
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21H02380
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
浜崎 伸彦 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 客員准教授 (10757008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹尾 透 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 教授 (10517014)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 減数分裂 / 転写因子 / ES細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請課題では、申請者らが開発した、多能性幹細胞に4種類の転写因子を導入することで卵母細胞 (DIOL: Directly induced oocyte-like cells)を直接誘導する技術を基盤として、産仔形成が可能な機能的な減数分裂を導入しうる転写因子ネットワークの同定と再構築を目的とする。 【減数分裂導入に必要な転写因子ネットワークの同定】 まず、減数分裂マーカー遺伝子(Rec8/Sycp1/Sycp3遺伝子座)ノックインES細胞の樹立を行う。これにより細胞が減数分裂状態に遷移した際に顕微鏡下で即時に確認でき、さらには将来的にはよりハイスループットな因子探索が可能になるため、ノックイン細胞の機能性の確認は非常に重要となる。具体的にはStra8はレチノイン酸による刺激で遺伝子発現が上昇することが知られているため、Stra8-レポーターノックイン細胞に対し、レチノイン酸刺激によりレポーター遺伝子の発現が可視化されるかを確認する。また全てのレポーターノックイン細胞株に置いて減数分裂下での発現パターンを確認する。これらの機能性を緻密に確認をした後に因子の探索に移行する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本申請課題では、転写因子卵母細胞(DIOL)を基盤として、減数分裂導入に必要な転写因子の同定および減数分裂を導入したDIOLの機能および産仔への発生能を評価する。本年度は、以下の項目の研究を進めた。 これまでにDIOL作出に使用されたStella-tdTomato ES細胞を親株として、減数分裂期特異的な遺伝子であるRec8/Sycp1/Sycp3遺伝子座にmNeonGreenをCRISPR-Cas9を用いてノックインする(STRG/STS1G/STS3G ES細胞)。これらのES細胞に対してpiggyBac法でDIOLに必要な4因子(Nobox, F igla, Tbpl2, Lhx8)をゲノムに挿入し、4因子発現ES細胞、すなわちDIOL産生ES細胞を樹立する。これら4因子はShield1と呼ばれるタンパク質を培地中に添加することで転写因子活性がオンになるように設計してある。従って、この4F-BVSCRT ES細胞に対し、Shield1を培地中に添加し 、DIOLに5日以内に分化することを確認する。減数分裂をDIOLに導入するために、今年度は候補遺伝子の網羅的な強制発現スクリーニングの実験系に用いるSycp1-mNeonGreen ノックインES細胞を樹立し、減数分裂を誘導する転写機構の解明を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
減数分裂レポーターES細胞の樹立とその機能性の確認を完了した後に、候補遺伝子の強制発現実験を開始する。評価は1)顕微鏡下での蛍光タンパク質の有無、2)FACSによる蛍光強度の量的測定、3)qPCRによる減数分裂関連遺伝子発現の定量、4)RNA-seqによる全遺伝子レベルでの評価、5)免疫染色による減数分裂因子の細胞内/核内局在パターンの可視化を行う。
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