2022 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞増殖因子HGFによるMet受容体活性化機構の構造学的研究
Project/Area Number |
21H02416
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
有森 貴夫 大阪大学, 蛋白質研究所, 准教授 (80582064)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 結晶構造解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝細胞増殖因子HGFとその受容体Metを介したシグナル伝達は,器官形成や組織の再生において重要な役割を担うが,この経路が異常に活性化されるとがんの進展をもたらしてしまう.細胞内へとシグナルを伝えるためには,HGFがMetに結合する前に,HGF自身がプロテアーゼ切断により不活性型から活性化型へと変換される必要があるが,そのメカニズムの詳細は明らかになっていない.本研究では,構造生物学的アプローチにより,HGFによるMetの活性化機構およびその制御機構の解明を目指す. これまでに,小型抗体Fv-claspを結晶化シャペロンとして利用することで,活性化型HGFでは2.4Å分解能,不活性型HGFでは3.69Å分解能のX線回折データの取得に成功している.活性化型HGFについては昨年度までに精密化が完了しているため,本年度はまず不活性化型について精密化をほぼ完了させた.これらの構造と過去に報告されている構造の比較により,結晶化シャペロンとして用いたFv-claspは,HGFの構造には影響を与えておらず,結晶のパッキングにのみ寄与していることを確認した.また,得られた構造から,切断に伴いHGFのループ構造が大きく変化することが明らかになり,このループのコンフォメーションの違いによってMetへの結合性などが変化することが強く示唆された.さらに,構造情報からHGFの活性に影響を与えると予想される変異体を複数デザインし,試料の調製を行った.これらの変異体を用いた機能解析についても進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
不活性型HGFおよび活性化型HGFの結晶構造解析については構造解析が概ね終了し,構造情報を基にした変異体の作製やその機能解析などにも着手しており,研究は順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,変異体実験等を進める.また,データが揃い次第,プロテアーゼ切断によるHGFの活性化機構に関する論文を執筆する.
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Research Products
(3 results)