2021 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of further biased optical control tools manipulating GPCR signalings
Project/Area Number |
21H02445
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
塚本 寿夫 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (90579814)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 光洋 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (50297602)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | オプシン / 光受容 / GPCR / イオンチャネル / 光遺伝学 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの光遺伝学解析の多くでは、緑藻類から見いだされた光駆動型イオンチャネルのチャネルロドプシンおよびその類縁体が光操作ツールとして利用されてきた。最近、チャネルロドプシンに加えて光感受性Gタンパク質共役受容体(GPCR)としてはたらく動物由来の光受容タンパク質オプシンも有力な光操作ツールとして活用されている。動物オプシンは、光シグナルを三量体Gタンパク質および下流の細胞内シグナル伝達経路を介して増幅するため、チャネルロドプシンと比べて数百から数千倍弱い光でも細胞応答を誘起できる利点があるが、動物オプシンは下流のシグナルタンパク質を介して複数の細胞応答を同時に駆動するため、具体的にどの細胞応答を光操作しているのか不明確になる難点もあった。本年度は、数ある動物のオプシンの中から、GPCRが駆動するシグナル経路のうち特定の経路のみを選択的に駆動することのできるものを選抜し、それを新しい光操作ツールとして提案することに取り組んだ。 研究を遂行した結果、環形動物ゴカイから見いだされたオプシンが、光受容後すみやかに不活性化する特性を示すことを見出し、この特性を利用して、GPCRが関わる細胞応答のうち最速であるGタンパク質βγサブユニットによるGIRKチャネルの開閉制御を「狙いうち」して制御できることを発見した。さらにGタンパク質の活性化・不活性化を加速するRGS8タンパク質をオプシンに人為的に融合させることで、この選択性を強化することにも成功した。この成果をまとめた論文は論文誌に受理済みで、2023年度中に出版される予定となっている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究申請時に、GPCRが駆動するシグナル伝達経路のうち特定の経路のみを光で操作できるツールを開発することを研究目標としてあげていた。本年度は、GPCRが駆動するシグナル経路の中で、Gタンパク質βγサブユニットが駆動する速いイオンチャネル応答を選択的に駆動できるツールを開発できたので、おおむね順調に進展していると自己評価している。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度までに開発できた光操作ツールについて、ゼブラフィッシュなどの動物個体や生体組織に導入して、光遺伝学解析における有用性を確認する。また、GPCRが駆動するシグナル経路のうち、Gタンパク質以外のシグナルタンパク質が関わる経路の活性を簡便に定量化するアッセイ方法を確立する。そして、Gタンパク質βγサブユニット以外のシグナルタンパク質が駆動する経路を選択的に駆動するツールの開発に取り組んでいく。
|
Research Products
(8 results)