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2022 Fiscal Year Annual Research Report

雄因子と共に配偶子膜融合を担う雌因子の同定と解析:重複受精分子メカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 21H02517
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionChiba University

Principal Investigator

井川 智子  千葉大学, 大学院園芸学研究院, 准教授 (00360488)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2026-03-31
Keywords重複受精 / 被子植物 / 配偶子融合
Outline of Annual Research Achievements

R4年度では,配偶子膜融合因子であるGCS1と相互作用するタンパク質種のプロテオーム解析結果より,検出信頼度が高いタンパク質種の中から「雌性組織での発現が期待されるもの」,「推定膜貫通領域を有するもの(あるいは膜局在シグナル配列を有するもの)」を主な指標として,その後の生化学及び分子生物学的解析の対象となるタンパク質種を数種選抜した。これらのタンパク質種とGCS1との相互作用を再検証するために,生化学的評価を行った。生化学的評価ではin vitroタンパク質合成とpull-downアッセイを行った。その結果,3種のタンパク質種においてGCS1との相互作用が示唆された。また別に,ベンサミアナタバコでのタンパク質発現による相互作用評価を行うため,遺伝子導入用のベクターを構築して,解析のツールを整備したた。
解析対象タンパク質種に関して局在解析を行うため,内在性プロモーターからCDSを含む領域をクローニングして,C末端側にGFP遺伝子を融合させた遺伝子発現コンストラクトを作製した。これらコンストラクトを導入したシロイヌナズナ遺伝子組換え体を得た。
上記タンパク質種において,タンパク質種Aについては,雌性配偶子の原形質膜上の局在が確認された。機能解析を行うべく,ゲノム編集によって遺伝子Aの変異個体を作出した。しかし遺伝子変異と表現型の相関が安定せず,再検証の準備を進めた。
また別のタンパク質種Bについては,CRISPR/Cas9によるゲノム編集を行い,遺伝子組換え体第1世代の種子が獲得できた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

R4年度では配偶子膜融合因子であるGCS1と相互作用するタンパク質種のプロテオーム解析結果より,「雌性組織での発現が期待されるもの」,「推定膜貫通領域を有するもの(あるいは膜局在シグナル配列を有するもの)」を主な指標として,その後の生化学及び分子生物学的解析の対象となるタンパク質種を数種選抜した。これらのタンパク質種について局在解析(発現組織及び亜細胞局在解析),タンパク質発現解析を行うために遺伝子クローニング,遺伝子導入ベクター構築,シロイヌナズナ遺伝子組換え体の作出を行った。生化学的評価においては解析タンパク質種とGCS1の相互作用解析を行った。1つ目として,in vitroタンパク質合成を行い,pull-downアッセイによって評価した。その結果,3つのタンパク質種において相互作用が示唆された。今後はこれらの再現性を評価する。2つ目の解析にはNicotiana benthamianaタバコでのタンパク質発現系による評価を想定して,まず解析タンパク質種を合成させるための遺伝子導入ベクターを構築した。次年度において,こちらの評価も計画される。
上記候補タンパク質種のうち,すでに雌性配偶子での発現と原形質膜局在が確認されたものがある。これらについてCRISPR/Cas9によるゲノム編集を行い,遺伝子組換え体を作出した。一部種子稔性が低下したゲノム編集個体が得られたが,次世代において変異と表現型の相関が確認できなかったため,次年度において再検証を進めている。
解析候補タンパク質種に関し,ownプロモーターからCDS領域をクローニングしてGFP遺伝子に融合した遺伝子発現コンストラクトを導入した組換え体を得た。R5年度において,発現組織と亜細胞局在を解析する。
以上のように,解析は概ね計画どおり順調に進行した。

Strategy for Future Research Activity

昨年度行った解析では,GCS1との相互作用を示唆する生化学的な解析結果が得られている。R5年度においては,これらの検証を更に進め,再現性を確認してエビデンスデータを得る。生化学的評価においては,2タイプ以上の解析方法によって検証を行いエビデンスを得る。
雌性配偶子でGFP融合タンパク質由来のシグナルが観察された推定GCS1相互作用因子(タンパク質種A)についても,ゲノム編集個体での変異と表現型の相関を評価する。タンパク質種Aについてはシロイヌナズナゲノム上にパラログ遺伝子が存在するため,これらについても逆遺伝学的解析を行い,2重変異体なども作製して相乗性や受精との関連を表現型解析によって調査する。
もう一つのGCS1相互作用因子(タンパク質種B)についてもゲノム編集個体の表現型解析,組織及び細胞内局在解析を進める。
以上のようにR5年度においてはGCS1相互作用タンパク質の生化学的検証を十分に行い,その結果得られたエビデンスに基づいて相互作用を明らかにする。タンパク質種A及びBについては,受精における表現型を特にイメージング解析を中心に行い,機能解明を行う。

  • Research Products

    (4 results)

All 2023

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (3 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Journal Article] Behavior of Male Gamete Fusogen GCS1/HAP2 and the Regulation in Arabidopsis Double Fertilization2023

    • Author(s)
      Yuka Shiba, Taro Takahashi, Yukino Ohashi, Minako Ueda, Amane Mimuro, Jin Sugimoto, Yuka Noguchi, Tomoko Igawa
    • Journal Title

      Biomolecules

      Volume: 13 Pages: 208

    • DOI

      10.3390/biom13020208

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 重複受精の制御機構:オスとメスの出会いから融合までの分子メカニズム2023

    • Author(s)
      井川智子
    • Organizer
      日本植物学会第86回大会
    • Invited
  • [Presentation] 雄性受精因子GCS1の相互作用因子の探索と解析 (1)2023

    • Author(s)
      三室周, 柳川由紀, 杉本迅, 高橋太郎, 井川智子
    • Organizer
      日本植物学会第86回大会
  • [Presentation] 雄性受精因子GCS1の相互作用因子の探索と解析(2)2023

    • Author(s)
      杉本迅, 柳川由紀, 髙橋太郎, 井川智子
    • Organizer
      日本植物学会第86回大会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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