2021 Fiscal Year Annual Research Report
広塩性の扁形動物を原点に探る淡水進出における体液調節能獲得の動物界を跨ぐ新概念
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21H02520
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
坂本 竜哉 岡山大学, 自然科学学域, 教授 (10294480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 麻友子 岡山大学, 自然科学学域, 准教授 (40378584)
関口 俊男 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 准教授 (40378568)
坂本 浩隆 岡山大学, 自然科学学域, 准教授 (20363971)
前嶋 翔 岡山大学, 自然科学学域, 特任助教 (10773286)
片山 侑駿 岡山大学, 自然科学学域, 特任助教 (00837601)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | プラナリア |
Outline of Annual Research Achievements |
国際研究グループで、新しい水・塩分環境への進出をもたらした動物界を貫く体液調節機構と提唱する抗利尿ホルモン(バソプレシン)系―腎臓の原型を、原始左右相称動物の扁形動物ヒラムシ(海産プラナリアの仲間)を用いて解明している。 まず、ヒラムシの、水陸両生、50~150%海水への順応―体液調節できること等を見出した。そして、脊椎動物の水・塩分環境適応の“要”でもある「バソプレシン/オキシトシン」の同族ペプチドをヒラムシから発見した。この神経ペプチドは、脊椎動物と無脊椎動物において広く存在することから、左右相称動物に普遍的な神経ペプチドとして、その共通祖先においてすでに存在していたと考えられるが、その進化起源は明らかになってなかった。今回、左右相称動物の共通祖先に近いとされるシンプルな体制を持つ、原始左右相称動物である扁形動物門(Platyhelminthes)から、その同族ペプチドを特定することに成功し、この祖先型ホルモンをプラチトシン(platytocin)系と名付けた。このホルモンは脳神経節の2対のニューロンのみで産生され、脱水で誘導された。さらに、プラチトシン系は扁形動物でも哺乳類と同様に抗利尿ホルモンとして機能していることを見出した。従って、『抗利尿ホルモン系による“腎臓” i.e., 体液の調節』の起源が、新しい水・塩分環境への進出をはじめた扁形動物まで遡れる。また、これまで不明であった神経シナプス系からの内分泌系/液性調節の誕生:神経内分泌の進化起源の解明も期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果が、「Science Advances」等に掲載されたため。 これらを基に、Scientific Reports の 関連の特集の Editor にも 選ばれたため。
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Strategy for Future Research Activity |
プラチトシン系→原腎管の ・細胞・分子基盤の解析;1細胞RNAseq。 ・個体レベルの機能解析;プラチトシンなど基盤分子の人為的操作→原腎管の水輸送への影響を観察。
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