2023 Fiscal Year Annual Research Report
HTLV-1の分子系統別疾患感受性の解明と層別化コホート研究の構築
Project/Area Number |
21H02575
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
前田 隆浩 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (40284674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉浦 孝一郎 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 教授 (00304931)
青柳 潔 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80295071)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | HTLV-1 / 分子系統解析 / コホート研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
長崎県五島市の一般住民健診と連携して多疾患コホート研究を進めているが、本研究はこのコホート研究で収集したHTLV-1キャリアの血液サンプルを用いてHTLV-1の分子系統解析を行い、分子系統別に疾患感受性を追求する研究である。ハイブリダイゼーションキャプチャー法によってターゲットシークエンス(プロウイルスHTLV-1)を濃縮し、次世代シークエンサーでプロウイルスHTLV-1の塩基配列を決定するが、2022年度に解析したキャリア384例(1クール目)に加え、2023年度はキャリア303例についてプロウイルスHTLV-1の塩基配列を決定した。合計687例のうち、depthの中央値が5未満のデータを除き、388例(57.5%)についてHTLV-1の遺伝子(5'LTR, 3'LTR, env, gag, p12, p13, p27rex, p30, pol, pro, tax, sHBZ, usHBZ)毎にIQ-Tree2を使って分子系解析を行った。 HTLV-1の分子系統解析に先立ち、多疾患コホート研究のデータを用いてHTLV-1とぶどう膜炎との関連についてロジスティック回帰分析を行った結果、年齢と性別を調整したモデルにおいてHTLV-1キャリアはオッズ比が3.27(95%CI: 1.57-6.72)と有意にぶどう膜炎が多いことが証明された。 2021年度から開始したHTLV-1キャリアの追跡研究は五島市多疾患コホート研究のテーマとして確立されているが、2023年度に実施された五島市の一般住民健診では、トータルで361名の研究協力者を登録してデータとサンプルを入手し、データは専用のデータベースに、血清は専用のディープフリーザーに保存した。また、108例についてはDNAを抽出し今後の解析に備えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2016年度から2022年度までに長崎県五島市の多疾患コホート研究で収集したHTLV-1キャリアの血液サンプルから、重複したサンプルを調整し、トータル686例のHTLV-1プロウイルスについてハイブリダイゼーションキャプチャー法と次世代シークエンサーを用いて塩基配列を決定することができた。そして、depthの中央値が5未満のデータを除き、388例(57.5%)についてHTLV-1の遺伝子(5'LTR, 3'LTR, env, gag, p12, p13, p27rex, p30, pol, pro, tax, sHBZ, usHBZ)毎にIQ-Tree2を使い分子系統解析を行い系統樹を作成した。これまでの研究の進捗によって、388例を対象として分子系統毎に疾患感受性を解析する準備が整った。 そして、多疾患コホート研究のデータを用いてHTLV-1とぶどう膜炎との関連についてロジスティック回帰分析を行った結果、HTLV-1キャリアは年齢と性別を調整したモデルにおいてオッズ比が3.27(95%CI: 1.57-6.72)と有意にぶどう膜炎が多いことが証明されたことから、感受性解析に用いる候補疾患(ぶどう膜炎)の意義を確認することができた。また、HTLV-1キャリアの追跡研究は、既に五島市の多疾患コホート研究の研究テーマとして確立されている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度までにHTLV-1プロウイルスの塩基配列を決定したキャリア686例のうち、depthの中央値が5未満のデータを除いた388例(57.5%)を対象に、IQ-Tree2を使ってHTLV-1の遺伝子(5'LTR, 3'LTR, env, gag, p12, p13, p27rex, p30, pol, pro, tax, sHBZ, usHBZ)毎に分子系統解析を行い、各々主に8つのサブグループに分類する。そして、サブグループ分類の妥当性について個々の遺伝子毎に調整した上で遺伝子毎のサブグループを確定させ、サブグループと疾患(Carotid Intima Media Thicknessを指標とした動脈硬化、pocket depthとattachment lossを指標とした歯周疾患、ぶどう膜炎)との感受性について解析を進める。 また、2023年度に証明することができたHTLV-1とぶどう膜炎との関連については、2024年度中に論文発表を行う。
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[Journal Article] Profile of Nagasaki Islands Study (NaIS): A Population-Based Prospective Cohort Study on Multi-disease.2023
Author(s)
Jun Miyata, Hirotomo Yamanashi, Shin-Ya Kawashiri, Sakiko Soutome, Kazuhiko Arima, Mami Tamai, Fumiaki Nonaka, Yuji Shimizu, Naomi Hayashida, Shigeru Kawakami, Noboru Takamura, Takashi Sawase, Atsutoshi Yoshimura, Yasuhiro Nagata, Mayumi Ohnishi, Kiyoshi Aoyagi, Atsushi Kawakami, Toshiyuki Saito, Takahiro Maeda
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Journal Title
J Epidemiol.
Volume: Online ahead of print
Pages: 1-10
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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