2021 Fiscal Year Annual Research Report
Glycosylation machinery regulated by localization of glycosyltransferases and selective transport of substrate proteins
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21H02625
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
矢木 宏和 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 講師 (70565423)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲賀 大輔 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (30467071)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 糖鎖 / 糖転移酵素 / ゴルジ体 / 分泌経路 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、ゴルジ体に存在する糖転移酵素の局在を明らにすることを目指して、各種電子顕微鏡画像(オスミウム浸軟法、免疫電子顕微鏡法、光・電子相関顕微鏡観察法)を取得するための固定化方法をはじめ試料調製条件の検討を行った。これにより、HEK293TやHeLa細胞といった培養動物細胞を対象にゴルジ体の電子顕微鏡3次元像を得ることに成功した。 細胞内において輸送過程にある糖タンパク質のみを選択的に観察するために、ビオチンの添加によって小胞体からの搬出を制御するRetention using selective hooksシステムを構築した。 モデル糖タンパク質として用いたエリスロポエチン(EPO)の細胞内の局在を調べた。パスポート配列の付加によりEPOがゴルジ体内の異なる領域に滞留するようになることを見出した。一方、パスポート配列付加によりEPOのガラクトシル化が亢進することも明らかとなった。近接依存性標識により、パスポート配列を付加したEPOとガラクトース転移酵素(B4GalT1)のいずれの近傍にも存在し得る分子としてNUCB1、NUCB2を同定した。興味深いことに、NUCB1の発現抑制によって、パスポート配列に依存したEPOのガラクトシル化とシアリル化の亢進が減弱することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
分泌経路上で糖タンパク質と特定の糖転移酵素との遭遇を媒介する分子の同定にとどまらず、糖鎖修飾の制御機能の一端を明らかにすることができた。したがって、当初の計画以上に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に確立した試料調製条件を基に、培養動物細胞における糖転移酵素のゴルジ体内の詳細な局在を明らかにする。近接依存性標識により糖転移酵素の近傍の分子に目印を付け、電子顕微鏡観察を通じて糖転移酵素の局在領域を明らかにすることを目指す。 本年度、ガラクトース転移酵素と基質糖タンパク質の遭遇を媒介する分子としてNUCB1を同定したように、次年度も近接依存性標識法等を用いることにより、糖転移酵素を取り巻く分子や基質糖タンパク質が輸送ルートで遭遇した分子を同定し、それらの機能解析を実施する。加えて、内腔分子の局在を保持した状態で断片化したゴルジ体を 分画することにより、糖転移酵素と局在を共にする分子として、タンパク質だけでなく脂質も対象とした探査を実施することを計画している。
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Research Products
(14 results)