2021 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanism underlying organelle trafficking regulated by stractually diverse proton pump vacolar ATPase
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21H02627
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
中西 真弓 岩手医科大学, 薬学部, 教授 (20270506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Wu Yibo 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 上級研究員 (50811618) [Withdrawn]
關谷 瑞樹 岩手医科大学, 薬学部, 准教授 (70509033)
後藤 奈緒美 (松元奈緒美) 岩手医科大学, 薬学部, 研究員 (80403971)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 液胞型ATPase / 分泌リソソーム / 破骨細胞 / インスリン分泌 / オルガネラ輸送 / Rabタンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、骨を吸収する破骨細胞の分泌リソソームが、分泌の際に形質膜へ向かって輸送される分子機構を解析している。これまでに、分泌リソソームに局在する液胞型ATPase(V -ATPase)のa3イソフォームが、輸送因子であるRab7を分泌リソソームへリクルートすること、a3がRab7のGEFであるMon1-Ccz1と結合できることなどを示した。 令和3年度は、a3KO破骨細胞を用いて、a3がMon1-Ccz1もリクルートしていることを示した。a3は、Rab7と結合しないMon1-Ccz1変異体にも結合したことから、a3が、まずMon1-Ccz1をリクルートし、続いてMon1-Ccz1を介してGDP型Rab7をリクルートすると考えられる。この成果は、Rabタンパク質のオルガネラ膜へのリクルートと活性化の機構を明らかにした点で重要である。 さらに、インスリン顆粒の輸送に注目した。インスリン顆粒は、細胞を高グルコース刺激で細胞膜へ向かって輸送され、低グルコースに戻すと細胞内へ戻される。インスリン顆粒が低グルコースで細胞内へ戻るときに、GDP型Rab27が機能する。我々は、V-ATPaseのa2イソフォームが、GDP型Rab27と結合することを示した。そこで、a2KD MIN6を作製したところ、低グルコースでの細胞内への移動が抑制され、インスリンの分泌量が上昇することがわかった。a2イソフォームは、GDP型Rab27と共にインスリン顆粒の内向き輸送に関与していると考えられる。 また、神経細胞の軸索輸送におけるV-ATPaseの関与を解析するため、a3KOマウスの脳より海馬細胞を回収し、神経細胞へ分化させる実験系を確立した。この細胞を用いて各aイソフォームの局在を解析したところ、a3が特定の細胞に強く発現していた。今後、各種細胞マーカーを用いて、この細胞の同定を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大により、神経細胞のin vitro分化系の確立は3ヶ月ほど遅れたが、破骨細胞のリソソーム分泌や膵β細胞のインスリン分泌に関しては、ほぼ当初の予定通り進展したため。
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Strategy for Future Research Activity |
破骨細胞の分泌リソソームの輸送機構に関しては、GEFを分泌リソソームの膜にリクルートする機構を解明するため、a3とMon1-Ccz1の結合部位を詳細に明らかにする。インスリン分泌顆粒の内向き輸送に関しては、Rab27のGEFとa2の関係について解析し、インスリン分泌顆粒の輸送に関与する因子の同定を進める。また、in vitroで分化させた神経細胞群において、a3が特定の細胞で強く発現していたことから、各種細胞マーカーを用いて、この細胞の同定する。さらに、当初の予定にはなかったが、本研究課題の発展に寄与すると考えられたので、本学歯学部の研究チームと共同で、エナメル芽細胞のODAM分泌におけるa3の役割の解析についても着手する予定である。
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[Journal Article] Glycoprotein nonmetastatic melanoma protein B regulates lysosomal integrity and lifespan of senescent cells.2022
Author(s)
M. Suda, I. Shimizu, G. Katsuumi, C.L. Hsiao, Y. Yoshida, N. Matsumoto, Y. Yoshida, A. Katayama, J. Wada, M. Seki, Y. Suzuki, S. Okuda, K. Ozaki, M. Nakanishi-Matsui, T. Minamino
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Journal Title
Sci. Rep.
Volume: 12
Pages: 6522
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Senolytic vaccination improves normal and pathological age-related phenotypes and increases lifespan in progeroid mice.2021
Author(s)
M. Suda, I. Shimizu, G. Katsuumi, Y. Yoshida, Y. Hayashi, R. Ikegami, N. Matsumoto, Y. Yoshida, R. Mikawa, A. Katayama, J. Wada, M. Seki, Y. Suzuki, A. Iwama, H. Nakagami, A. Nagasawa, R. Morishita, M. Sugimoto, S. Okuda, M. Tsuchida, K. Ozaki, M. Nakanishi-Matsui, T. Minamino
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Journal Title
Nat. Aging
Volume: 1
Pages: 1117-1126
DOI
Peer Reviewed
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