2022 Fiscal Year Annual Research Report
視床下部の新生神経の成熟過程におけるcAMP濃度変動が果たす機能の解明
Project/Area Number |
21H02666
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
中島 則行 久留米大学, 医学部, 准教授 (80625468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鷹野 誠 久留米大学, 医学部, 教授 (30236252)
武谷 三恵 久留米大学, 医学部, 准教授 (30289433)
中島 明子 久留米大学, 医学部, 助教 (40867024)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | OMP / NES / Bioinformatics / DNA |
Outline of Annual Research Achievements |
嗅細胞マーカOMPは、嗅細胞では嗅覚受容体の下流シグナルを制御する。脳内では視床下部に発現しており、種々のシグナル統合に関わると考えられる。OMP遺伝子は、細胞の形態形成・アポトーシスに関わるカルシウム依存的プロテアーゼ(カルパイン5:CAPN5)遺伝子のイントロンに「入れ子構造(nestedgene)」で存在しており、転写因子GAP43によってCAPN5と相反的な発現制御を受ける可能性を発見した(Nakashima N. et al., Mol. Brain, 2019)。新たに考案したBioinformatics計算法(PKV法)によって、高度に保存されたロイシンリッチ領域があることを発見した。ロイシンリッチ領域は他のタンパク質において核外輸送シグナル(NES)として知られている。そこで、ロイシンをアラニンへ変えてシグナルを破壊したアラニン変異型OMPを作成し、HEK293T細胞に発現させたのちにOMPの細胞内分布を確かめた。その結果、アラニン変異型OMPは野生型OMPに比べて核に存在する割合が増加し、ロイシンリッチ領域がNESとして機能することを突き止めた(Nakashima N. et al., Mol. Brain, 2022)。現在、培養細胞にOMPを強制発現させて、ゲノムDNAとの相互作用領域をChIP‐NGS法により同定をする準備を進めている。 さらにゲノム編集技術を用いて、OMPの遺伝子発現に関わる領域の同定を進めている。13系統のマウスが得られ、現在そのホモ化を進めている。 また、予定していた脳内でのOMP発現細胞の挙動を観察するためのAAVベクタの作成を完了した。In vivo接種実験により、細胞の動きの追跡を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ウイルスベクター作成にあたり、レポータ遺伝子の挙動の異常および、OMPの新たな機能を発見したため、レポータの改変および発現検証実験を追加したため。
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Strategy for Future Research Activity |
OMPのゲノム相互作用と発現制御機構について、おおむね明らかになりつつあるので重点的に解析を進める。 一方で、予定していたウイルスベクター接種実験を着実に進めて、In vivoでのOMPの生理機能を明らかにする。
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