2023 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the changes in tissue stem cell-niche interactions that cause skin autoimmune disorders
Project/Area Number |
21H02712
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
佐藤 卓 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 非常勤講師 (40375259)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 皮膚エリテマトーデス / インターフェロン / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
皮膚エリテマトーデス(CLE)や全身性エリテマトーデス(SLE)では、本来は抗ウイルス応答を担うI型インターフェロン(IFN)の異常な生産亢進が発症原因となっている(Nat. Immunol.20:1574,2020)。同疾患の脱毛症は、免疫系が毛包幹細胞を破壊することが原因で発症すると考えられているが、その発症原因としての、毛包幹細胞-ニッチ細胞間相互作用の異常については明らかではない。 昨年度までの研究において、CLEマウスモデルの皮膚マクロファージ、及び皮膚の非免疫細胞の1細胞遺伝子発現解析、さらにこれらのデータを用いたインタラクトーム解析(リガンドー受容体相互作用)実施し、皮膚に特徴的に集積するマクロファージ亜集団、及びそれらによって分泌され、皮膚病態形成に関わることが推定される分子候補を特定した。今年度は、これらの分子候補の病態形成における機能を検証するため、当該分子を欠損するCLEモデルマウスや、I型IFN受容体を特定の細胞種で欠損するCLEモデルマウスを作製しその表現型を解析した。その結果として、今後十分なマウス頭数の解析が必要ではあるものの、交配により作製したいくつかのマウス系統では、期待された通り、皮膚病態が改善を認め、病変形成に関連すると考えられるマクロファージ集団の減少が認められた。本年度は、所属研究機関の異動があったため十分なマウス頭数の解析ができなかったが、計画したマウスの交配自体は順調に進んでおり、今後速やかに解析が可能である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、所属研究機関の異動があったため、マウスを使った実験がやや遅延している。一方、複数の系統の交配自体は順調に進んでいるため、来年度はこれらの樹立したマウス系統の解析を十分に行う。
|
Strategy for Future Research Activity |
樹立したマウス系統の表現系解析から、CLEモデルマウスの皮膚病態の形成に必須の細胞、及び分子基盤がわかりつつあるため、来年度は、これら樹立したマウス系統の詳細な解析を進め、論文化につなげる。また、CLEモデルマウスと類似の表現型を持つマクロファージが、I型IFN異常症患者の病理皮膚組織に分布するかについても、臨床医師に協力いただき引き続き検体の解析を進める。
|