2022 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of novel cancer immunotherapy targeting fibrinolytic system regulators
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21H02767
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
八幡 崇 東海大学, 医学部, 教授 (10398753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤村 卓 東北大学, 大学病院, 講師 (50396496)
アブドゥル アジズ 東海大学, 医学部, 特任講師 (50738789)
安藤 潔 東海大学, 医学部, 教授 (70176014)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | PAI-1 / がん / 免疫チェックポイント / がん免疫療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はPAI-1パラドックスモデルマウスの作製に取り組んだ。申請者らはこれまで、PAI-1高発現型の白血病細胞はPD-L1高発現で治療抵抗性でありPAI-1阻害剤で治療可能であること、PAI-1欠損型の白血病細胞はPD-L1低発現で治療感受性であることを明らかにした。同様に、メラノーマの高悪性株B16F10細胞は、低悪性株B16F1細胞に比べてPAI-1とPD-L1を共に高発現していることを確認した。まさしくPAI-1パラドックスを再現するものである。そこで、PAI-1パラドックスが悪性腫瘍の普遍的な原理であることを明確にするために、MC38細胞(大腸癌)などの免疫チェックポイント阻害剤感受性株や、B16F10細胞などの抵抗性株のPAI-1高発現株と欠損株を作製し、それぞれの担癌モデルマウスを作製し、治療抵抗性の変化を複数の癌種由来の細胞株で明らかにすることに取り組んだ。具体的には、(1)PD-L1の発現変動、(2)腫瘍周辺のM2型マクロファージや制御性T細胞の変動、(3)CD8T細胞や樹状細胞の腫瘍部位への浸潤、(4)腫瘍径や転移数の増減、(5)生存率などを評価する。さらに、PAI-1欠損マウス(入手済み)の造血幹細胞にBCR/ABLなどの転座型遺伝子を導入し、PAI-1欠損マウスに移植することにより、がん自身にも環境中にもPAI-1が存在しない条件では免疫チェックポイント阻害剤高感受性になることを確認する。(6)(5)はがん幹細胞(PAI-1高発現であることは確認済み)を解析できる実験系であるため、そのPD-L1発現量や治療抵抗性についても検討することにより、PAI-1高発現型の腫瘍は免疫学的な回避能が高いことが悪性化の要因であり、PAI-1パラドックスを生じる根本的な原因である確固としたエビデンスを得るための準備を完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子導入細胞株の作製に当初予定よりも時間がかかり、繰り越しで対応することになったが、計画通り作製でき、その後の計画に支障は生じていない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の推進に関して特に支障となる事態は生じておらず、今後も継続して研究を進めたい。次年度は作製したモデル動物を利用して治療効果等を検討し、新規複合的がん免疫療法の開発に取り組む予定である。
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