2022 Fiscal Year Annual Research Report
Neural mehcanisms underlying behavioral regulation based on physiological needs: model animal study
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21H02797
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山田 洋 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (70453115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小金澤 禎史 筑波大学, 医学医療系, 助教 (80431691)
入江 駿 獨協医科大学, 医学部, 助教 (60918887)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 欲求 / 報酬 / 意欲 / 脳 / コスト |
Outline of Annual Research Achievements |
判断と意志決定は人間の社会生活の根幹であり、その異常は、肥満、薬物依存症、うつ病などの障害として現れる。先行研究により、ヒトの前頭葉内側部の異常がうつ病と関わることが知られている。更に、マカクザルのこの脳部位を磁気刺激すると、うつ様行動が発現する可能性が指摘されており、そのメカニズムを理解するための研究を進める。本年度は4年計画の計画2年目として、これまでの成果を論文として報告すると伴に(Imaizumi et al., 2022 Nat commun.)、新たな実験の予備的検討を行った。具体的な内容は次の通りである。 1) 新規の記録プローブ電極を導入するために、研究分担者と伴に失敗のリスクの無い、げっ歯類を対象として電極刺入の方法の確立を行った。 2)ヒトの価値判断モデルとしてサルを位置づけるために、ヒトのうつ病で大きく変化する要因の一つである、コストの主観感覚を測定するための行動実験を研究分担者と伴に行った。 このように、計画2年目に十分な予備的検討を得たため、来年度に実験成果を確定させるための本データを取得する。なお、予備的検討により、どちらの研究課題においても十分な予備実験の成果を得た。今後の研究を加速するために、十分な成果と言える。今後は、研究の主となるサルを対象とした実験で、新規の実験の構築を目指す。新しい実験技術の導入により、新規性の高い独創的な研究成果が得られると予想される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、4年計画の2年目として、これまでの研究の成果を論文として報告できた。これに加え、新たな研究技術の導入のために行った予備的検討により、うまく行きそうな感触を得た。このことにより、これまでの目的を大きく上回る成果を得るための足がかりを得ることができた。 従って、計画はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、4年計画の3年目として、今年度の検討を活かして、新規実験を推進する。具体的な内容は次の通りである。
1)ヒトの欲求と意欲の調節に関わるコストの測定法の開発:ヒトの行動は、喉の乾きや空腹のみならず、様々な認知過程に影響される。その中でも、負担の程度(コスト)は、うつ病などの行動の異常に関わると考えられる主要な要因の一つである。そこで、ヒトを対象に、個人の感じるコストを測定する方法の開発を検討する。これまでの予備的検討が上手く行きかかっている事から、この試みを成功へと繋げる。 2)これまでに開発してきた欲求の程度の指標と、報酬や負担の主観的な感じ方の程度を結びつけるための研究を実施する。サルを対象として実験課題の訓練を進め、神経細胞活動記録へと繋げる。
以上のように、2年目の研究の進展を受けて、計画の主となるのサル実験において本研究の格段の進展を目指す。
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