2021 Fiscal Year Annual Research Report
ナトリウム共役能動輸送型糖輸送体を標的としたセラノスティクス薬剤の開発
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21H02865
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小林 正和 金沢大学, 保健学系, 准教授 (30444235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
国嶋 崇隆 金沢大学, 薬学系, 教授 (10214975)
玉井 郁巳 金沢大学, 薬学系, 教授 (20155237)
鷲山 幸信 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (80313675)
川井 恵一 金沢大学, 保健学系, 教授 (30204663)
西井 龍一 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 分子イメージング診断治療研究部, グループリーダー (60463212)
水谷 明日香 金沢大学, 保健学系, 助教 (00828452)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | SGLT / SPECT / PET / 分子イメージング / セラノスティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、18F-FDG (2-deoxy-2-[18F]fluoro-D-glucose)を用いたPET (positron emission tomography)検査の問題点を克服する臨床応用性に優れたNa+共役能動輸送型糖輸送体SGLT (sodium glucose co-transporter)に高親和性を示すがん分子標的核医学画像診断薬の開発及び評価法の技術基盤の確立を目的とした。FDGが輸送される促進拡散型糖輸送体GLUT (sodium independent glucose transporter)との相同性がなく、かつ6種のサブタイプを有するSGLTの中でも、FDGでは診断困難な脳腫瘍、膵臓がん、前立腺がんに高発現しているSGLT-1/2により腫瘍に特異的に高集積する新規SGLT分子標的核医学画像診断薬の開発を試みる。 2021年度は、D-glucopyranoside構造に放射性ハロゲン標識が可能な標識原料を選択し、放射性ヨウ素標識条件とHPLC (High Performance Liquid Chromatography)の分析条件を検討した。標品の合成条件において、標識原料の1/10濃度のクロラミン-Tを使うことで、グルコース構造の開裂がない目的のモノヨウ素体を合成できた。その後、この条件も含めて様々な125I標識条件を検討した結果、10 mMの標識原料、1 mMクロラミン-Tと125Iの混合液を10分程度反応させ、HPLCにて標品と同じリテンション時間に標識体が溶出し、目的の標識体が分取できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度は、SGLT-1を標的としたD-glucopyranosideを基本骨格とする標識母体化合物の選定から研究を開始した。D-glucopyranoside構造に放射性ハロゲン標識が可能な標識原料を選択し、放射性ヨウ素標識条件とHPLC (High Performance Liquid Chromatography)の分析条件を検討した。標品の合成条件において、標識原料の1/10濃度のクロラミン-Tを使うことで、グルコース構造の開裂がない目的のモノヨウ素体を合成できた。その後、この条件も含めて様々な125I標識条件を検討した結果、10 mMの標識原料、1 mMクロラミン-Tと125Iの混合液を10分程度反応させ、HPLCにて標品と同じリテンション時間に標識体が溶出し、目的の標識体が分取できた。このようなヨウ素標識条件の検討とHPLCによる分析に多くの時間を割く必要があり、他の標識原料の検討が進まなかったため進捗状況は想定よりもやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は以下の実験手順に従って行う。 1)腫瘍細胞におけるSGLT遺伝子発現量の絶対定量解析:ヒト培養腫瘍細胞におけるSGLT-1/2とGLUT1/3の遺伝子発現量を絶対定量解析する。 2) SGLTとGLUTの一過性高発現細胞を用いたブドウ糖誘導体の選択:SGLT-1や2の単一の一過性高発現細胞を用い、SGLTの基質であるMe-4FDGPや3H標識MeDGPと各々の標識母体化合物の候補化合物であるブドウ糖誘導体を組み合わせることで、arbutin以外の標識原料のブドウ糖誘導体をスクリーニング評価する。 3) Arbutin以外の標識原料の放射性ヨウ素-125標識:2)で見出した標識原料の125I標識とHPLC精製を行う。 4) ブドウ糖誘導体のSGLT輸送系寄与率評価法の確立:これまで独自に開発したアミノ酸輸送系寄与率評価法を本研究に応用し、SGLTの基質であるMe-4FDGPや3H標識DGPと、Na+依存性、GLUT阻害剤、SGLT-2阻害剤を組み合わせることで、SGLT-1/2におけるブドウ糖誘導体の輸送系寄与率評価法を新たに確立する。 5) 125I標識体のSGLT親和性の評価:3)で合成した125I標識体を4)で評価して、新たに合成した125I標識体のSGLT-1/2の親和性を評価する。
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[Journal Article] Comparison of L- and D-Amino Acids for Bacterial Imaging in Lung Infection Mouse Model2022
Author(s)
Muranaka Y, Mizutani A, Kobayashi M, Nakamoto K, Matsue M, Nishi K, Yamazaki K, Nishii R, Shikano N, Okamoto S, Kawai K.
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Journal Title
International Journal of Molecular Sciences
Volume: 23
Pages: 2467
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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