2022 Fiscal Year Annual Research Report
局所療法を融合した発展型ラジオセラノスティクス用プローブ開発研究
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21H02867
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小川 数馬 金沢大学, 新学術創成研究機構, 教授 (30347471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧 淳一 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (10251927)
仁宮 一章 金沢大学, 新学術創成研究機構, 教授 (10379125)
三代 憲司 金沢大学, 新学術創成研究機構, 准教授 (60776079)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ラジオセラノスティクス / がん / イメージング / 核医学治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、核医学治療と他のがん治療とを融合したプローブ開発を行い、一定の成果を得た。一例として、プラチナ抗がん剤とラジオセラノスティクスを融合させた薬剤開発を行った。シスプラチン (CDDP) は、がん化学療法に広く用いられているが、腫瘍選択性に乏しいため腫瘍特異的な薬物送達法の開発が求められている。そこで、腫瘍指向性分子のRGDペプチドにプロドラッグとして4価のPtを導入したPt(IV)-[c(RGDyK)]2を作製し、腫瘍選択性を高めることを試みた。そして、放射性同位元素で標識することで、セラノスティクス用薬剤として用いることを目指し、Pt(IV)-[c(RGDyK)]{[125I]c[RGDy(3-I)K]}を作製、評価した。Pt(IV)-[c(RGDyK)]2を細胞に暴露し、増殖阻害実験を行った結果、Pt(IV)-[c(RGDyK)]2はCDDPよりも低濃度で細胞増殖阻害能を示した。また、Pt(IV)-[c(RGDyK)]{[125I]c[RGDy(3-I)K]}を担がんマウスに投与し、体内放射能分布実験を行った結果、Pt(IV)-[c(RGDyK)]{[125I]c[RGDy(3-I)K]}は投与1時間後に腫瘍組織に高く集積 (3.5±0.5 %ID/g) した。RGDペプチドにPtを導入することにより、腫瘍特異的に集積させることを可能とし、RI標識体と組み合わせることでセラノスティクス用薬剤としての可能性が示唆された(Bioorg Med Chem 2022)。他には、光線力学療法や中性子捕捉療法とラジオセラノスティクスを融合させた手法の開発にも取り組み、一定の成果を得た(RSC Medicinal Chemistry 2022, J Med Chem 2022)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ、研究計画通りに実験を遂行し、予想した結果との乖離も少なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画通り、2022年度の研究結果を基礎として、他の治療モダリティとラジオセラノスティクスとの融合を進めていく。
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Research Products
(13 results)