2024 Fiscal Year Research-status Report
深層学習法による高齢者術後うつの術前予測と発症機序・予防に関する基礎的研究
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23K21453
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
廣田 和美 弘前大学, 医学研究科, 客員研究員 (20238413)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 隆司 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (40613352)
二階堂 義和 弘前大学, 医学研究科, 講師 (50613478)
佐々木 賀広 弘前大学, 医学研究科, 教授 (70178672)
櫛方 哲也 弘前大学, 医学研究科, 准教授 (80250603)
斎藤 淳一 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (90647413)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2026-03-31
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| Keywords | うつ / 高齢者 / 機械学習 / 術後せん妄 |
| Outline of Annual Research Achievements |
臨床研究: 2015年1月-2020年12月に当院ICUに24時間以上滞在した術後患者を対象に、患者背景、血液検査、投与薬剤などの161の特周術期患者データを収集し、術前 (モデル1)、術前・術中(モデル2)、術前・術中・術後24時間以内(モデル3)の3つのロジスティック回帰推論モデルをPytorchを用いて機械学習により構築した。対象の1101名の内、144名(13.1 %)がPODと診断された。モデルが最適化される20の特徴量における各モデルのValidation後のauROCは、モデル1: 0.74, モデル 2: 0.76, モデル 3: 0.79であった。一方、従来のせん妄予測モデルであるPre-deliricスコアのauROCは0.61であった。周術期患者データを用いたいずれのPOD推論モデルも従来のPre-deliricスコアより高い精度で予測できた。3つのモデルの精度の比較検討で、術前の早期かつ高精度な予測が可能である。 動物実験: 術後高齢C57BL6/Jマウスにみられた鬱様行動、認知機能低下、海馬ミクログリア活性化の発症機序を明らかにするため、プロテオーム解析で候補となったRhoA、14-3-3、ミトコンドリア機能関連経路の組織学的及び分子生物学的解析を進めた。RhoA及び14-3-3のパスウェイに関わる蛋白質のmRNA脳内局所発現変化とウェスタンブロットを用いて各蛋白質の発現解析を進めている。その内、mRNA発現量に変化がなく、蛋白質発現量が術後高齢モデルで増加している蛋白質が認められ、術後高齢モデルではオートファジー機能異常が示唆された。また、LPS誘発敗血症モデルで認知機能との関連が示唆された脳内鉄を、大脳皮質サンプルでICP-MSにより解析したが、鉄含有量の有意な変化は認めず、敗血症性認知機能低下と手術侵襲性認知機能低下は異なる機序が示唆された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床研究は術後せん妄のAIモデル確立を目指し、モデルの確立が出来たので、実装に入る。動物実験は、術後高齢モデルではオートファジー機能異常が示唆された。
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| Strategy for Future Research Activity |
臨床研究: 術後せん妄のAIモデル確立を目指す。現在auROCが最大0.79であり、実装して予測がどの程度の精度になるか見ていく。 動物実験: 今後も例数の追加、再現性検証と並行して、敗血症性認知機能低下と術後認知機能低下とでの発症機序が異なる可能性が示唆されたので、その原因の解明を進める。
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| Causes of Carryover |
当該研究計画に参画する研究者の多忙により一部実験に遅れが生じたことや研究遂行に想定以上に時間を要した。一方で、当該年度に得られた結果から新たな発見の可能性があり、それらの追加検証や再現性実験を行うために当該研究を次年度に延長することが妥当と考えた。そのため、当該年度の予算使用額の一部を次年度に繰り越しとした。令和7年度に繰り越した使用額は術後せん妄のAIモデル検証やオートファジー機能異常の解析に必要な消耗品や成果公表の費用に充てる予定である。
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