2021 Fiscal Year Annual Research Report
Functional analysis of osteocytic membrane vesicles in osteoclast activation under daily activities
Project/Area Number |
21H03050
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
苅谷 嘉顕 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20633168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 雅 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60401072)
池淵 祐樹 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20645725)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 骨細胞 / 骨代謝 / RANKL |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、日常生活において生じる程度の骨への負荷に対する破骨細胞活性化の起点の明確を目指している。破骨細胞活性化を担う分子実態として、骨細胞が発現するRANKL分子が、破骨前駆細胞上の受容体RANKに結合することが中心的な役割を果たすが、RANKL分子の提示機構は明らかになっていない。骨細胞が骨器質に包埋されていることを考慮すると、「RANKLは何らかの小胞を介して放出され、破骨前駆細胞へと供給される」と仮説を起き、検討を進めている。2021年度は、主として注目すべき小胞形態を定めるため、骨細胞モデル細胞であるMLO-Y4細胞を用い、アポトーシス小体、エクトソーム、エクソソームの放出量の評価を進めた。この際、生理的な状況を評価できるようにするため、Matrigel等の基剤を用いた三次元培養の条件を確立した。また、RANKLの小胞放出評価を容易にするために、過去の文献等を参照し、生理的に生じ得る分子で、RANKL発現量を上昇させる可能性がある刺激剤を添加した系にて各種評価を進めた。その結果、MLO-Y4細胞を一週間程度三次元培養した際に、刺激剤によるRANKLのmRNA発現量の上昇が認められ、エクソソームの分泌が検出された。アポトーシス小体やエクトソームの分泌量については、現在検出系を最適化している状況であり、検出系が構築でき次第、刺激下における分泌状況を評価する予定である。一方で、この刺激剤によるRANKLのmRNA発現量上昇は、幼弱マウス頭蓋骨より単離した初代培養骨細胞を用いた実験では検出されないことも確認された。これらのことから、今後、MLO-Y4以外の複数の骨細胞のin vitro評価系での解析を総合して、注目すべき主として注目すべき小胞実態の同定を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
骨細胞の小胞分泌に関して、in vitro解析にて想定したよりも多くの情報が得られる可能性を示唆する実験データを得た。当初は複数のノックアウトマウス系を樹立し、in vivoでの解析を中心とした研究計画を立てていたため開始時の計画とは異なる進捗となっているが、より詳細なデータを短期間で取得できるin vitro系を優先した解析を進める方針に切り替えており、研究全体としては概ね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初2021年度中に、小胞放出機能欠損マウス作出に取り掛かる予定であったが、in vitroの詳細な評価を行った結果、複数のin vitro骨細胞評価系を用いることで、骨細胞内で機能している小胞実態を一定程度絞り込める可能性が見いだされた。そこで、in vitroでの詳細な解析を優先して進めることとする。具体的には、今後、MLO-Y4のみならず、複数の骨細胞のin vitro評価系にて、刺激剤添加した場合のRANK発現量やRANKLの細胞内局在、各種小胞の放出量評価を進め、多くin vitro評価系で再現される現象を見いだすことで、注目すべき小胞実態の同定を目指す。その上で、その小胞実態の機能を阻害する手法同定(機能抑制するための標的遺伝子の同定など)を進めた上で、in vivo解析へと進める方針とする。
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