2023 Fiscal Year Annual Research Report
Functional analysis of osteocytic membrane vesicles in osteoclast activation under daily activities
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21H03050
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
苅谷 嘉顕 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 講師 (20633168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池淵 祐樹 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20645725)
本間 雅 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60401072)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 骨細胞 / 破骨細胞 / RANKL |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの解析において、骨細胞モデル細胞株であるMLO-Y4細胞におけるRANKLの発現量が生体内において基底状態にて起こり得る特定の刺激に応答して変動すること、この変動は特定の培養条件にしたときに顕著に認められること、この刺激によるRANKL発現量の変動は長期的な効果ではなく、破骨細胞分化に必要な時間と対比すると、比較的短時間であることを見出した。2023年度は、主にこの時間的不整合性を解析しうる基盤の構築を進めた。すなわち、従来注目している刺激によるRANKL発現量変動のみでは、破骨細胞分化前半を説明するには不十分と考えられ、当該刺激によって引き起こされるRANKL発現量変動以外の影響を網羅的に評価することが必要になると考えられた。そこで、刺激後に生じうる細胞内状況の変化をタンパク質レベルにて網羅的に検出するために、ショットガンプロテオミクスの解析基盤の構築を行った。また、比較的短い時間スケールで生じうる現象として、シグナル伝達の活性化に注目し、その網羅的評価法として、リン酸化ペプチドを濃縮した上でプロテオミクス解析を実施するための技術基盤の構築も進めた。構築した系を用い、分子生物学的にシグナル伝達の詳細が明らかになっている受容体に着目し、そのアゴニスト添加した際の、プロテオミクス解析、リン酸化プロテオミクス解析を実施したところ、想定された分子の活性化が見出され、解析手法に問題がないことが確認された。2024年度は、これら構築した技術基盤を用い、我々が注目している刺激を骨細胞モデル細胞や初代培養骨細胞に添加した際の影響を評価していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度までの解析結果を受けて、2023年度は「生活動作下での破骨細胞活性化」の惹起物質として見出した候補因子に関して、in vitroでの更なる解析が必要になると判断される状況となっていた。そこで、2023年度は、そのin vitro解析に必要となる技術基盤の確立に注力し、実際にその系構築まで到達できている。そのため、本研究は順調に進展していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度までの解析結果を受けて、2023年度は「生活動作下での破骨細胞活性化」の惹起物質として見出した候補因子に関して、in vitroで様々な網羅的解析が必要になると考えられる状況であった。2023年度には、その解析技術基盤が構築できた。最終年度である2024年度は、構築した技術基盤を用いて、注目している「生活動作下での破骨細胞活性化」の惹起物質候補に関する網羅的解析を行い、この因子の生理的位置付けの理解を深めることを目指す。
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