2022 Fiscal Year Annual Research Report
疾患解明アプローチによる筋・骨組織の機能回復を目指した腱組織再生の分子基盤解析
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21H03137
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
依田 哲也 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (60242210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二藤 彰 鶴見大学, 歯学部, 教授 (00240747)
尾崎 心 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 副チームリーダー (10754765)
儀武 啓幸 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (40376752)
佐藤 毅 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (60406494)
佐久間 朋美 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (70633733)
岡崎 敦子 (今井敦子) 順天堂大学, 大学院医学研究科, 准教授 (70761691)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 咀嚼筋 / 腱 / 遺伝子変異 / ケイ素 |
Outline of Annual Research Achievements |
咀嚼筋腱・腱膜過形成症患者における全ゲノム解析のための家系解析を東京医科歯科大学口腔外科外来を受診された患者を対象に始めた。当初は血液検体での解析を計画していたが、採取が困難であり、唾液に切り替え、患者および家族の協力を得ることができ、年度内に6家系の唾液検体を集積することができた。現在これらの検体を解析中である。 正常なブタの側頭筋腱、アキレス腱、側頭筋、咬筋のRNAを抽出し、RNAシーケンスをし、遺伝子発現を解析した。その結果、同じ腱でも側頭筋腱とアキレス腱では遺伝子の発現が大きく異なり、側頭筋腱ではHOXD13やHOXA11などのホメオボックス遺伝子やCOMPなどの軟骨形成コラーゲン形成に関係する遺伝子など1837の遺伝子が上昇し、シグナル伝達に関連するCHRNA4やNRN1,ZIC4遺伝子など1596遺伝子の低下がみられた。正常なブタとヒトとでは遺伝子発現に大きな差はないと考えられており、この結果はヒトでも同様と考えられた。また、咀嚼筋腱・腱膜過形成症患者の手術時に側頭筋腱を3検体、そして顎変形症患者における正常な側頭筋腱も3検体採取し、同様のRNAシーケンス解析を始めた。 その他に、放射光蛍光X線分析による咀嚼筋腱・腱膜過形成症患者の咬筋腱膜、側頭筋腱の分析も継続しており、腱組織間にカルシウムやリンの散在の他に、やはりケイ素も検出できており、患者の年齢や開口障害の重症度、咬筋や側頭筋の部位による検出の差を検討すべく、改めて、倫理審査委員会に申請し、年度末にようやく承認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
家系での解析で検体を唾液に変更したことや、コロナ禍での手術検体採取にやや苦労し、また、軽微な研究内容の変更でも倫理委員会の承認に時間を要したが、概ね進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
採取された検体について全ゲノム解析を進める。手術で採取された検体のRNA解析、および放射光蛍光X線分析も進める。
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