2021 Fiscal Year Annual Research Report
Data-driven high-performance medicine for stroke
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21H03165
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鴨打 正浩 九州大学, 医学研究院, 教授 (80346783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北園 孝成 九州大学, 医学研究院, 教授 (70284487)
松尾 龍 九州大学, 医学研究院, 准教授 (60744589)
福田 治久 九州大学, 医学研究院, 准教授 (30572119)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | QOL / 脳卒中 |
Outline of Annual Research Achievements |
急性期脳梗塞患者1,144人(年齢74.3±12.5歳、女性41.8%)を対象に、EQ-5D-5Lを用いて生活の質(quality of life:QOL)の評価を行った。EQ-5D-5LのQOLスコア中央値(4分位値)は9(6-15)(QOL換算:0.67±0.27)、5項目のQOLスコアは移動の程度2(1-4)、身の回りの管理1(1-3)、ふだんの活動2(1-4)、痛み/不快感1(1-2)、不安/ふさぎ込み1(1-2)であった。各項目のQOLスコアは、移動の程度、身の回りの管理、ふだんの活動については相互に項目間で相関していた(相関係数ρ0.80-0.91)。一方、痛み/不快感(ρ0.37-0.58)、不安/ふさぎ込み(ρ0.31-0.53)については、他項目との相関はやや低かった。 さらにQOLと患者要因の関係について検討した。QOL値は年齢(ρ0.36)、退院時National Institutes of Health Stroke Scale(NIHSS)スコア(ρ0.59)、退院時modified Rankin scale(mRS)スコア(ρ0.73)と正の相関がみられたが、body mass index(BMI)とは負の相関(ρ-0.23)が見られた。NIHSSスコアは、移動の程度(ρ0.57)、身の回りの管理(ρ0.60)、ふだんの活動(ρ0.60)との相関は強かったが、痛み/不快感(ρ0.27)、不安/ふさぎ込み(ρ0.21)との相関は弱かった。 日本人脳梗塞患者における発症後QOLの低下の状況が明らかになった。急性期脳梗塞患者に対しては、いかに退院時の神経学的症状を軽減し、身体障害の程度を軽減しうるかが、QOLの低下を防ぐために重要と考えられる。一方、BMIはQOLと負の相関が見られており、高齢者におけるサルコペニア、フレイルや低栄養等がQOLに悪影響を及ぼしている可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我が国において、脳梗塞患者のQOL低下の実態を調査した。また、QOLの低下と各患者要因の相関について明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、脳卒中後QOL低下に関連する全ての因子を網羅的かつ探索的に検討する。そのため、種々の社会的因子、神経徴候、病巣部位、併存症/合併症等の因子を調査する。機械学習手法を用いて、全ての因子とQOLの関連について検討する。また関連が強い因子については、QOLにどのような影響を及ぼしているかを検討する。さらに、これらの因子を用いて予測モデルを作成し、関連因子による脳卒中後のQOL予測を行う。
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Research Products
(7 results)
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[Presentation] 研究利活用のための脳卒中ゲノム研究の情報化2021
Author(s)
1.三輪佳織, 高橋 篤, 鎌谷洋一郎, 松尾 龍, 吉村壮平, 冨田 努, 鴨打正浩, 北園 孝成, 片岡大治, 豊田一則, 猪原匡史, 古賀政利
Organizer
第47回日本脳卒中学会学術総会
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[Presentation] 頭蓋内狭窄病変を伴うアテローム血栓性脳梗塞患者の狭窄度と転帰との関連:Fukuoka Stroke Registry2021
Author(s)
2.木附信二, 佐藤倫子, 新田朋彦, 古賀統之, 金沢 信, 田中 淳, 松木孝之, 松下知永, 松尾 龍, 福嶌由尚, 脇坂義信, 吾郷哲朗, 福田賢治, 鴨打正浩, 北園孝成
Organizer
第47回日本脳卒中学会学術総会
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[Presentation] 心房細動を有する虚血性脳血管障害における発症前抗凝固薬と重症度との関連- Fukuoka Stroke Registry2021
Author(s)
3.橋本 剛, 桑城貴弘, 中村晋之, 松尾 龍, 田川直樹, 溝口忠孝, 森 興太, 杉森 宏, 矢坂正弘, 脇坂義信, 吾郷哲朗, 鴨打正浩, 岡田 靖, 北園孝成.心房細動を有する虚血性脳血管障害における発症前抗凝固薬と重症度との関連- Fukuoka Stroke Registry
Organizer
第47回日本脳卒中学会学術総会