2022 Fiscal Year Annual Research Report
コロナ禍での社会活動の制限が高齢者の長期的な健康に与える影響とその緩和要因の探索
Project/Area Number |
21H03196
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
永井 雅人 大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (60707199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 克則 千葉大学, 予防医学センター, 教授 (20298558)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 新型コロナウイルス / 社会活動 / 介護予防 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、新型コロナウイルス感染症が流行する直前の2019年11月~1月に実施した調査に参加した高齢者(240,889人)を長期追跡することで、コロナ禍による1)身体活動や社会活動の機会、他者との関わり方、認知機能・メンタルヘルス・要介護認定状況・フレイルなどの変化を検討し、2)身体活動や社会活動の機会、他者との関わり方の変化が高齢者の長期的な認知機能・メンタルヘルス・要介護認定状況・フレイルなどに及ぼす影響と3)その緩和要因を探索・同定すること、を目的としている。 四年計画の二年目は、3年毎に実施している「健康と暮らしの調査」を上記の高齢者を含む対象者に実施した。昨年度から準備(調査票の作成、各市町村との調整、対象者の選定など)を重ね、最終的に75市町村から協力が得られた。各市町村の状況に合わせ、悉皆調査またはランダムサンプリングにて対象者(366,561人)を選択し、2022年11月7日、11月14日、12月5日の3回に分けて郵送調査を実施した。また、2市においては合わせて戸別訪問も実施した。結果、365,397人から回答が得られた。2019年調査には64市町村が参加しており、このうち追跡調査として参加したのは59市町村であった。この調査データを入力・クリーニング・整備し、解析可能な横断データを作成した。現在、2020年に実施したコロナ調査や2019年の調査データを始め、それ以前の2016年や2013年のデータと個人レベルで突合し、縦断データとして解析可能なデータセットを作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は2019年11月~1月に実施した調査に参加した高齢者(240,889人)に対して追跡調査を実施することが目的であった。調査は完了し、上記の高齢者を含む365,397人から回答が得られた。また、解析可能な横断データも整備され、現在は縦断データを整備中であることから、当初の予定通りに進んでいると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、コロナ禍直前の2019年11月~1月に実施し、3年毎に繰り返し調査している「健康とくらしの調査」の追跡調査を行った。調査データを入力・クリーニングし、横断データとして解析可能なデータセットを作成した。 次年度以降は、上記の横断データを2020年に実施したコロナ調査や2019年の調査データを始め、それ以前の2016年や2013年のデータと個人レベルで突合し、縦断データとして解析可能なデータセットを作成する。作成した縦断データを用いて、身体活動や社会活動の機会、他者との関わり方の変化が高齢者の長期的な認知機能・メンタルヘルス・要介護認定状況・フレイルなどに与える影響を多変量解析にて検討していく。解析はInverse probability weightingを用い、2016年のデータを2019年のデータに揃えた重み付けを行ったうえで実施する。重み付けされた2016年~2019年の追跡データを2019年~2022年の追跡データがコロナ禍を経験していなかった場合のデータとみなし、これらを比較する。Average treatment effectを算出することでコロナ禍という社会全体が人々の健康や生活習慣などに与えた影響を推定する。また、感度分析として2013年~2016年の追跡データや2010年~2013年の追跡データも同様に解析する。
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