2023 Fiscal Year Annual Research Report
A prospective study on the effect of sociopsychological biomarkers on incident diabetes and cardiovascular disease.
Project/Area Number |
21H03202
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
斉藤 功 大分大学, 医学部, 教授 (90253781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 広達 愛媛大学, 農学研究科, 准教授 (20627096)
加藤 匡宏 愛媛大学, 教育学部, 教授 (60325363)
大澤 春彦 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (90294800)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 社会心理学的因子 / 自律神経系機能 / 疫学研究 / コホート研究 / 脈拍変動 / 血清コルチゾール |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、社会心理学的因子と2型糖尿病・循環器疾患発症との関連を明らかにすることを目的に実施している。本年度、大洲コホートⅡのベースラインから2020年末までの追跡調査を実施し、虚血性心疾患発症17名、虚血性心疾患死亡12名、脳卒中発症115名、脳卒中死亡17名、合計145名(重複あり)の新規循環器疾患発症を把握した。これらをケースとして、非発症者から性・年齢をマッチングさせたコントロール580名を無作為に抽出し、保存血清を用いて社会心理学的因子である血清コルチゾールの測定を行った。条件付きロジスティック回帰分析により、コントロールの血清コルチゾール分布を三分位に分類し、第2三分位を基準とするオッズ比を算出した。全体では、コルチゾール値が低値である第1三分位の循環器疾患発症オッズ比が1.92(95%信頼区間:1.09-3.36)と有意に上昇した。また、第3三分位のオッズ比は1.28(0.76-2.16)と有意ではなかったが、男女で分けてみると、女性ではコルチゾール値高値の群でも有意な上昇を認め、男女での違いが明らかとなった。 また、東温コホートと大洲コホート研究を統合し、約6000人について自律神経系のバイオマーカである脈拍変動と健康関連QOLとの関連を横断的に分析した。自律神経系機能の低値、あるいは高値が健康関連QOLの低下と関連し、ノンリニアなU字の関係があることを報告した。 社会心理学的因子のバイオマーカと健康アウトカムとの関連から、低値、あるいは高値は必ずしも好ましい状態ではなく、適正値が存在することが示唆された。次年度も追跡期間を延長し研究を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度から脳心発症者と非発症者のネスティッド症例対照研究を行い保存血清を用いた血清コルチゾール測定を行う予定であり、予定通りのサンプル数の確保と測定を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、コホート研究の追跡期間を延長し更なるケースの確保を行い、分析結果をより確からしいものにする必要がある。また、本研究で得られた新たな知見の成果報告の為、論文の執筆を遂行していく計画である。
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