2021 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病性潰瘍のケア方法創出に向けた基礎研究:エストロゲン作用の治癒メカニズム解明
Project/Area Number |
21H03219
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
向井 加奈恵 金沢大学, 保健学系, 准教授 (30755335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 康平 金沢大学, 新学術創成研究機構, 助教 (00586612)
中島 由加里 金沢大学, 保健学系, 助教 (40846680)
中谷 壽男 金沢大学, 保健学系, 研究協力員 (60198124)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 糖尿病性潰瘍 / 皮膚創傷治癒 / エストロゲン |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病性潰瘍は重症化すると下肢切断を余儀なくされる症例も多く、発症初期段階で効果的な糖尿病潰瘍のケアを開始することは極めて重要である。従って本研究では、修復因子と治癒機転を阻害する増悪因子の除去の双方の機能を有するエストロゲンに着目し、糖尿病性潰瘍におけるエストロゲンとTissue-Kallikreinの相互作用の検証並びに、糖尿病性潰瘍の感染創マイクロバイオームの実態とエストロゲンの有効性を明らかにすることを目的とする。 研究目的の達成のために、2020年度は下記の実験を行った。 1. Ⅱ型糖尿病モデルマウス(db/db)を用い、エストロゲン投与による創傷治癒過程の評価並びに組織サンプル採取を行った。採取した組織サンプルよりRNAを抽出し、遺伝子発現差解析を実施した。 2. STZ投与によるⅠ型糖尿病モデルマウスへのエストロゲン投与による創傷治癒過程の評価を行うために、STZ投与によるⅠ型糖尿病モデルマウス作製を行った。しかしながら、創傷作製後の体重減少が著しく、人道的エンドポイントの観点から当該モデルを用いた研究遂行は中止とした。 3. 糖尿病性潰瘍の感染創マイクロバイオームの実態把握のために、臨床サンプルの調査フィールドの確保を試みた。しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大の終息の目途が立たず、調整困難であった。そのため、文献レビュー並びに研究組織内で再検討を行い、一部計画を見直した。 4. その他、皮膚創傷治癒に関する研究を実施・成果を公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスの感染拡大を受け一部計画の見直しを行う必要が出てきたが、2021年度に予定していた実験は実施できたため、おおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は以下の実験を行う予定である。 1. 前年度に採取したⅡ型糖尿病モデルマウス(db/db)の創サンプルを使用して創傷治癒に関連する因子等に関して免疫組織化学染色やPCR分析などを行う予定である。得られた結果を踏まえ、研究組織内で追加実験の有無や今後の方向性を検討する。 2. 皮膚常在細菌叢が惹起させる感染創モデルの作製に着手し、被覆材の種類の違いによる浸出液量・創治癒への影響の検討や、皮膚常在細菌叢の定着性の定量などを行う予定である。得られた結果を踏まえ、研究組織内で今後の方向性を検討する。
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