2023 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣病等の健康課題をもつ元受刑者への保健師による健康支援の構造化
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21H03266
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
川崎 涼子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (30437826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 眞由美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (60315687)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 元受刑者への健康支援 / 刑事施設入所経験者 / 保健師活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は「生活習慣病等の健康課題をもつ元受刑者への個別支援の経験と支援内容:元受刑者の健康管理能力の査定および行動変容のための支援内容を明らかにする」ために行った調査の分析と公表および,スウェーデンにおける受刑者への処遇と社旗復帰支援体制に関する情報収集を行った. 1)全国市区町村1, 724カ所の健康増進担当部署および特定健康診査・特定保健指導担当部署保健師を対象に実施した調査結果(回収率26.5%)について,第12回日本公衆衛生看護学会学術集会に示説発表を行った. 2)九州7県の地域包括支援センター587事業所に所属する看護職・社会福祉士(各1名:合計1,174名)を対象とした「複雑困難事例」経験に関する調査結果(回収率38.5%)について,大学院生 澤井詩織氏の協力を得て論文化した(in press). 3)スウェーデンにおける受刑者への処遇と社会復帰支援体制に関する視察および情報収集を実施した.当初計画では令和3年度に実施する予定であったが,新型コロナウイルス感染症により実施できずにいた北欧諸国における受刑者の地域社会復帰支援に関する情報収集をスウェーデンにおいて実施した.スウェーデンにおけるセキュリティレベルの最も厳格なノルテリエ刑務所,元受刑者の社会復帰を支援するハーフウェイハウス,スウェーデンにおいて最も深刻な受刑者の健康課題である薬物依存について刑務所とともに地域で支援を行う薬物依存治療センター(ストックホルム市)を視察した.この施設における医師,看護師(刑務所内,薬物依存治療センター),ハーフウェイハウス運営者,刑務所におけるケアマネジメント担当者の連携について,活動報告として資料を作成している. 4)元受刑者への健康支援経験のある市区町村保健師へのインタビュー調査については,実施のプロセスを見直している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査結果の公表は年度当初予定に合わせて実施ができた.市町村保健師へのインタビュー調査についてはデータ収集を継続している.当初計画で初年度に実施予定であった北欧諸国における受刑者の地域社会復帰支援に関する情報収集が3年度目に実施可能となった. スウェーデンにおける健康課題をもつ元受刑者の地域社会復帰(再統合)支援体制について得た情報をもとに,生活習慣病等の健康課題をもつ元受刑者への個別支援の経験と支援内容:元受刑者の健康管理能力の査定および行動変容のための支援内容を明らかにするため,市町村保健師への調査結果の論文化を進める必要がある.
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は,生活習慣病等の健康課題をもつ元受刑者への個別支援の経験と支援内容:元受刑者の健康管理能力の査定および行動変容のための支援内容を明らかにするため,下記を行う. 1)市町村保健師への調査結果の論文公表を行う. 2)スウェーデンにおける健康課題をもつ元受刑者の地域社会復帰(再統合)支援体制について視察内容を公表する. 3)元受刑者への健康支援経験のある市区町村保健師へのインタビュー調査について,「地域共生社会における保健師活動」という視点を追加したインタビュー実施を行い,分析を進める.
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