2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of the quantification and early detection technology of hand dexterity disorders
Project/Area Number |
21H03288
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
米田 英正 名古屋大学, 医学系研究科, 特任講師 (00735946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 良平 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 上級主任研究員 (00392647)
岩月 克之 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (90635567)
大山 慎太郎 名古屋大学, 未来社会創造機構, 准教授 (80768797)
佐伯 将臣 名古屋大学, 医学部附属病院, 特任助教 (40822292)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 手指巧緻運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は当初手指運動を定量化して治療効果を客観的に計測する技術を目指すものである。方法としてタスクを複数開発し,その測定値を従来の巧緻運動評価法や患者立脚型評価と比べ,妥当性の検証や疾患特性による応答性を調査する計画とした。第一段階として,書字や箸使用など実際の巧緻動作中の筋活動のリアルタイムセンシング技術を開発した。手指の運動はGoogleの作成したMediapipeを用い,運動の評価定量した。また同時に微弱な応力を経時的に測定可能な豊田合成株式会社の静電誘導式センサe-Rubberを装着した箸やペン,手袋を用い動作中の経時的指尖圧測定を行うこととした。これらを組み合わせることで,巧緻運動障害の特徴的運動軌道解析と指先ピンチ力のリアルタイム計測を行った。対象として健常ボランティアと巧緻運動障害を有している頸椎症および末梢神経障害のある患者に協力を依頼し,運動障害の有無による手内筋・手外筋の筋力制御の状態,運動軌道を解析した。結果,健常ボランティアの運動パターンは個人差がなく,被験者間での変動の少ないパターンであり,複数回の計測にても疲労や学習の影響が少なかった。一方疾患を有する被験者については,手根管症候群患者においての手指の運動パターンに特徴が見られ,母指の掌側外転量と内旋回旋量などのピーク運動量と,母指球筋萎縮量や神経伝導速度検査のdistal latency時間に代表される病態の重症度と相関が見られた。一方指尖圧については,圧力分散量について個人間のばらつきが大きく病状との相関はなかったが,指尖圧のピーク時間については重症度に応じて短くなる傾向が見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計測に必要な材料の一部が新型コロナウイルス感染症のパンデミックの影響を受けて入手が困難となったため,手指運動解析の部分で遅延が生じた。そのため代替可能な材料を手配し,一部の測定機材の作成を外注するアプローチ方法を変更した。研究の遂行については一部の被験者の計測を研究の後半に予定することで対処することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
手指運動の定量化技術については検証を行い,手指の巧緻運動障害の自覚度,患者立脚型評価と相関しており,内的妥当性があることが判明した。そこで最終年度にはこの技術をより大きなコホートに導入し,その評価指標の外的妥当性についての検討をすすめていく方針である。またこれまでに明らかにしてきた脳機能との関連についても同時に評価を進めるとともに,別の競争的資金で行っている触覚と脳機能に関する研究を組み合わせた研究の治験を組み合わせる方策とした。
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Research Products
(6 results)